午前11時、私は35年ぶりに千代田区立麹町中学校の前に立った。卒業式で校門を出て以来、だいぶ前に校庭に座り写真を撮った(月刊『PLAYBOY』誌のグラビアに掲載・82年頃)ことはあるが、校舎の中に入るのは初めてである。校門で受付をすませて、合同教室に向かう。今日は、麹町中学校の同窓会が開催され、私は同窓会の依頼により記念講演を行うことになっていた。開会の挨拶を佐藤剛男同窓会会長(衆議院議員・衆議院内閣委員長)が行い、活動報告・会計報告の後で私が登壇した。 事前に同窓会の役員の皆さんと打合せをしていて、この春卒業した新卒業生が飽きないような話をしてほしいということだったので『自分と賢くつきあう方法』と演題を決めていた。ただ、成人式での政治家の挨拶状態(ザワザワ・ワイワイ誰も聞いていない)になることも予想の範囲だったので、話の内容は工夫することにした。以下、再録してみる。 『自分と賢くつきあう