『人生がうまくいく 哲学的思考術』(白取春彦著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、ベストセラーとなった『超訳 ニーチェの言葉』の著者による新刊。今作では「生き方のコツ」を伝授していますが、そのベースとしてあるのは、著者が自分自身の興味と楽しみから読んでいるのだという哲学関連の書籍です。 私は哲学書を思考と人生経験の芸術だと思っている。論理の正確さだの思考体系だの真理の探求ではないと思っている。(中略)人生について考えることは、重要度において論理のような人工的なものをはるかに越えた事柄ではないだろうか。 もし、人の生き方を論理と効率性で割り切って考えてしまうのならば、結局のところは経済的損得勘定になってしまうだろう。そんな味気ない虚無主義的な人生を、私個人は人生と呼びたくない。(「はじめに」より) とはいえ著者は、一生読んでも読みきれないほど存在する哲学書のすべてが素晴らしいわけではない