逮捕された望月清賢容疑者は、かねて職員らに「善行を積め」と訓示していた。その裏で、自らは公明正大であるべき職員採用試験をゆがめていたとすれば非難は免れない。市政関係者らから「人格者」と評される一方、多額の借金を抱える一面もあるなど、望月容疑者の素顔は見えにくい。 望月容疑者は山梨市議を3期務めた後、県議選に出馬するも落選。この頃、石材会社「差出(さしで)石材」の社長を一時務めた。平成14年の補選で県議に初当選し、4期目途中の26年、「山梨市をもっとよく!」をキャッチコピーに市長選に立候補。現職候補に約400票の僅差で初当選を飾った。 ある市議は「とにかく腰が低く、人当たりが良い」と評し、「議会でも大きくもめることもなく、市政運営ができていたのも人の良さからではないか」と話した。ある市職員は「市長は常々、『陰徳積善』(陰で徳を重ね、善行を積め)と職員に訓示してきたのに、まさかこんなことに