大学に入って初めて出来た彼氏とは、何もしなかった。 せいぜい、はぐれそうなときに手をつないだくらいだった。 何に関しても受け身で、覇気のない彼氏だった。就活が嫌だとうじうじしていた。 やりたくないことはいっぱいあるのに、やりたいことは一つもないようだった。 彼の皮肉は面白く、はじめはそれなりに楽しかったが、だんだん彼が愚痴ばかり言うようになり、 会うたびに憂鬱になり、どうにも疲れきってしまったので、別れた。 予想はしていたけど、あっさりな幕切れだった。 2年の付き合いだったので、自分から振りながら、そこそこ落ち込んだ。 そんな時に、友達の友達の友達くらいの距離感の、ゆっくり喋るのが印象的なリア充男に声をかけられた。 私が別れたことを知っていた。女友達が多い男って、情報が早くて本当に嫌だと思った。 でも、情報が早い人間や噂好きの人間はうさんくさくて嫌いだったはずなのに、私はその男相手に心情を