「湿地帯中毒」で書こうと思っていて、忘れていたのが「湿地帯が人間に及ぼす害悪」についてです。本の中では、湿地帯の生物の多くが絶滅しかかっていて、それらがいなくなることに対してなんとか保全をしたい、というようなことを多く書きました。しかし、そういうことを語る上で、湿地帯が人間に及ぼす害悪については、当然のことながらよく知っておく必要があります。 湿地帯が人間に及ぼす害悪、直接的なものとしてはやはり、増水・洪水・氾濫という部分でしょう。湿地帯の生物の多くが減少する直接的な原因として、河川の改修というものは大きな比重をしめていますが、それらは決して生物を減少させるためにしたものではなく、こういった部分を少しでも改善しようとして行われたものです。 それからもう一つ、湿地帯には人間に害悪を及ぼす湿地帯生物が多く存在することも忘れてはなりません。マラリアや日本脳炎等多くの致死的な病気を媒介するカの仲間