もちろん大学、あるいは大学院というものが社会経済に果たす役割というのはとても重要で、それを軽視しているわけではありません。日本の学術研究の水準が低下していることは憂うべきことであり、そういう問題意識から、世界に向けて研究論文を発表し続ける沖縄科学技術大学院大学(OIST)のようなところも生まれてきています。科学の分野で先端性を追求し続けるためにOISTのような「特別な存在」はどんどんつくるべきだし、学術研究に対する意欲や資質を持った若者には飛び級などを認めて、環境をつくって与えて、最先端を走らせればいい。 しかし、私が今、強い問題意識を持って見ているのは、そういう高度教育や学術研究の場ではなく、義務教育から高校まで含めた教育の在り方なのです。 ごみを道端に捨ててはいけません、ということを守ってもらうためには、ごみを捨てたら罰せられるという法律を作るシンガポールのようなやり方もあります。しか