火災ガス中毒に効く化合物の粉末(左側の三つ)。水溶液(右端)を投与すると血中で一酸化炭素(CO)などと結び付き、体外に排出される=20日午後、京都市上京区の同志社大 火災時の主な死因の一つで、有毒な一酸化炭素(CO)とシアン化水素(HCN)を体内から速やかに排出させる新しい化合物の合成に成功したと、同志社大などの研究グループが発表した。ガス中毒で昏睡(こんすい)状態のマウスに投与したところ、85%以上が蘇生したという。研究グループは臨床試験に向けた研究を進めており、5~10年での薬剤開発を目指している。研究成果は21日、米国科学アカデミー紀要に掲載された。 開発したのは、ヘム鉄と環状オリゴ糖の「シクロデキストリン」2種からなる粉末化合物。それぞれ水に溶かした上で混ぜて投与すると、血中でCOやHCNと結び付き、尿として排出される特性がある。 実験では、アクリル素材を燃やして発生したCOとHC