日本の電子書籍市場は、参入ストアが100を超える乱立状態で、多くの会社は赤字が続いている。一方、ドイツでは、書店大手4社が合同で立ち上げた電子書籍ブランド「tolino(トリノ)」が、サービス開始から1年余りでアマゾンの「キンドル」のシェアを抜いた。共通ブランドの導入は日本でも可能なのか。ドイツの“成功例”に注目が集まっている。 「少し前なら、ライバル書店同士が連携するなんて考えられなかった。でも、競争しなければいけない相手はアマゾン。共通の敵がいることが、私たちの『糊(のり)』になった」 6月末のベルリン。国内2位の老舗書店「フーゲンドゥーベル」のニナ・フーゲンドゥーベル社長はそう語った。日本雑誌協会や日本書店商業組合連合会など出版関連の業界団体で作る「日本出版インフラセンター」と業界紙「文化通信」が企画した視察ツアー。出版社や書店の幹部約20人がメモを取りながら耳を傾けた。 トリノが扱
「宝島30」 1993.11 前後編企画・誰も書かなかった「角川家の一族」 角川春樹 オイディプスの 昏(くら)き血脈 長男・太郎のホモ・セクハラ、弟・歴彦の追放劇、そして社長・春樹の逮捕。これら一連のスキャンダルは、一見偶然に角川書店を襲った災難かのように見える。どのマスコミも、曖昧に春樹のワンマン経営が生んだ結果と決めつけるだけで、事件を一本の線で繋ぐことはできなかった。ところが、実は、それは、60年に及ぶ「角川家の一族」という骨肉相争う大河ドラマの必然的クライマックスだったのだ!多くの人々を飲み込んできたその激流に今、初めて挑む。 「捜査事実上終わる――芸能界への波及なし」 角川春樹(51歳)の麻薬事件について、そういう見出しの記事が朝刊に載った9月20日に、この稿を書き出そうとしている私は、そうとう間の悪い人間に違いない。 もう角川春樹のコカイン・スキャンダルは事実上、終わってしま
星海社ウェブサイト『最前線』において6月中旬の開始を予定している大塚英志氏の新連載『角川歴彦とメディアミックスの時代』の公開に先駆けまして、大塚氏から緊急寄稿がありましたので急ぎ僕のブログを通じて公開いたします。タイトルは「企業に管理される快適なポストモダンのためのエッセイ」。 先日発表されたKADOKAWA・DWANGOの誕生が放つ巨大な重力から逃れて生きることは、ライトノベル、漫画、アニメ、ゲーム、ネットなどのただ中で生きている僕たちにとってはほぼ不可能な状況になることでしょう。だからこそ、僕たちはたった今、個人個人が真剣にこのKADOKAWA・DWANGOの合併劇について考えるべきなのではないでしょうか。そういった意味で、この緊急寄稿は必読のテキストであると考えます。 また、新連載『角川歴彦とメディアミックスの時代』では、「メディアミックス」の誕生の原点とされる80年代史と角川源義、
教育のこと、「黒子のバスケ」脅迫事件のこと。 大塚英志 〈1〉 角川ドワンゴの持ち株会社の社名がカドカワに変更となり、その一方で川上量生が通信制の高校の構想を明らかにしたことで、コンテンツとプラットフォームの融合という株主向け説明にさえならなかった統合後のビジョンが初めて明確になった。 出版社としての角川はもはや消滅し、プラットフォーム企業としてのドワンゴも大きく変わるだろう。 旧社名「カドカワ」が「カドカワ」の「カ」「カ」、「ドワンゴ」の「ド」「ワ」の組み合わせだという説明がもはや方便でしかないのは、角川書店は「カドカワ」の「名」のみ残し、「ドワンゴ」というWEB企業に吸収されたという事実しかそこにはないからだ。経営統合がなければ、出版社としての旧KADOKAWAは経営破綻していたはずだ。類似出版社のM&Aという「同業他社潰し」が目的としか思えない無策の合併の繰り返しによって肥大したKA
世界を蹂躙された子どもは「日の丸プラットフォーム」の夢を見るのか 大塚英志 清水眞弓(しみずまゆみ)という作家の小説に『花冷え』がある。1964年、七曜社からの刊行である。巻末には文芸批評家の村松剛(むらまつたけし)の解説があり、その記述から著者の清水と村松は、編集者と著者の縁であったと知れる。余談だが、村松の授業をぼくは筑波大学時代に受けている。第二外国語のドイツ語の講義で、ぼくは一度も出席せず、試験もドイツ文学について知っていることを記せといった内容だったので、グリム童話やフォルクスクンデについて雑な文章を書き、単位をもらった記憶がある。そのため、ぼくはドイツのアルファベットさえおぼつかないのだが、そういう無能な学生相手の講義はさぞかし憂鬱(ゆううつ)であったのだろう、ただ、寡黙で陰鬱な印象だけが漠然とあるが、清水に対してはひどく優しい。 〈清水さんとはもう二年以上のおつきあいになる。
モニターとしてのブラウン管 大塚英志 始まりは一冊の雑誌だった。まずそういう話からしよう。 1970年の夏、角川歴彦(かどかわ つぐひこ)はアメリカにいた。父の会社である角川書店に入社して4年が過ぎていた。 若者たちの政治の季節が終わろうとしていた。その頃の時代は、多分、今よりもずっと若者たちと政治が近かった。 歴彦は1943年生まれだから、その時は二十代の後半になっていた。もう幾年か生まれるのが遅ければ、団塊世代とか全共闘世代と呼ばれていたはずだ。戦争が終わり、ようやくやってきた平穏な時代となった1940年代後半、いわゆるベビーブームがやってきた。1947年から'49年までの3年間に生まれた子供は毎年年間260万人を超え、3年間で延べ806万人である。2000年代に入ってからは年間の出生数は110万人を割っているから、今と比べれば2.5倍多い。数としては圧倒的多数の世代より、歴彦は少し早
「知らなかった、大宅文庫が経営の危機にあることを」――。 8月8日、このような一文から始まる書き込みをFacebookにアップした。すると瞬く間に「拡散」され、5日後には「いいね!」が497人、「シェア」が276件。Facebookと連動させているTwitterのほうは、「リツイート」が674件、「お気に入り」が272件……。正直、驚いた。こんなに話題になるとは思ってもいなかった。その一方で、「みんな本当に大宅文庫に関心があるの?」と訝る気持ちも生まれてきた。 公益財団法人・大宅壮一文庫(以下、大宅文庫)は、東京都世田谷八幡山にある雑誌専門の私設図書館だ。その名の通り、ノンフィクション作家で評論家の大宅壮一(1900〜1970年)が蒐集した膨大な雑誌資料が元になっている。大宅壮一といえば「一億総白痴化 」や「駅弁大学」「男の顔は履歴書である」といった名言・語録でも知られているが、「本は読む
日本人が過去に向き合い、反省と悔恨を心に刻む季節。しかし、メディアのブームはまったく逆の様相を呈しているらしい。テレビをつければ、「日本人がすごい!」「外国人も日本を絶賛」という日本自慢の番組がやたら放映され、書店には日本人礼賛本がずらりと並ぶ。 『ドイツ大使も納得した、日本が世界で愛される理由』(フォルカー・シュタンツェル/幻冬舎)、『やっぱりすごいよ、日本人』(ルース・ジャーマン・白石/あさ出版)、『JAPAN CLASSそれはオンリー イン ジャパン』(ジャパンクラス編集部編/東邦出版)といった外国人目線で日本人を褒めあげる本。さらには、右派系知識人や保守派の評論家が気持ち悪いくらいの日本賞賛を繰り広げる本も目立つ。 「太平洋戦争で日本は負けたが精神では勝っていた!」 「東日本大震災直後の日本人の思いやりや互助の精神は素晴らしい!」 「お客を選ばずにどんな人にも応対する『おもてなし』
2015年6月11日、太田出版は『絶歌』を出版しました。 この本は1997年に神戸で起きた通称神戸連続児童殺傷事件の加害者である元少年Aが事件にいたる経緯、犯行後の社会復帰にいたる過程を自ら綴ったものです。 なぜ遺族の了解を取らずに出版したのか、遺族の気持ちをどう考えているのか、なぜあのような猟奇的殺人者の本を出すのかなど、出版後、多くの批判をいただいています。 本書は、決して本人の弁解の書ではありません。いわんや猟奇殺人を再現したり、忌まわしい事件への興味をかき立てることを目的にしたものではありません。 本書は、加害者本人の手で本人の内面を抉り出し、この犯罪が起きた原因について本人自身の言葉で描いたものです。 深刻な少年犯罪が繰り返される中、なぜそのようなことが起きたのかをそれぞれの事件の加害者自身が語ることはほとんどありません。一つには機会があってもそれを表現するだけの力を持つ者がいな
批判を集めている神戸連続児童連続殺傷事件の元少年Aの『絶歌 神戸連続児童殺傷事件』(太田出版)。その矛先は、元少年Aだけでなく、版元の太田出版にも及び、ネットにはこんな声があふれた。 「こんな出版社潰せよ、犯罪幇助だろ」「出版したやつら全員地獄に堕ちる」「太田出版は許さん!」「太田出版不買運動」 こうした事態に6月17日には同社の岡聡社長が「釈明文」を発表する事態にまで至ったほどだ。 しかし、実はこの騒動には、出版の本当の仕掛人でありながら、太田出版に押しつけ、まんまと逃げ切ったご仁がいる。それが幻冬舎の見城徹社長だ。 「実は『絶歌』は、太田出版ではなく幻冬舎から出版される予定だったのです。 それを幻冬舎の見城社長が途中で出版を降り、太田出版に紹介したということのようです」(出版関係者) 最初の経緯ははっきりしないが、幻冬舎は数年ほど前、少年Aとコンタクトをとり、それ以降、出版に向けてプロ
リンク www3.nhk.or.jp 児童連続殺傷事件の加害者 手記を出版 NHKニュース 平成9年に神戸市で起きた児童連続殺傷事件の加害者の元少年が、事件に至るいきさつや現在の心境などをつづった手記を出版しました。これに対し殺害さ… 平成9年に神戸市須磨区で発生した連続児童殺傷事件で、当時14歳だった加害男性(32)が手記を出版したことをめぐり、殺害された土師淳君=当時(11)=の父、守さんは10日、代理人弁護士を通じ、「私たちの思いは無視され、踏みにじられた」とするコメントを公表し、出版の中止と本の回収を求めた。 ー 産経WEST 大原ケイ @Lingualina 最近TYOで萎えてるリテラリーエージェント。 🍊批判は日課、 米書籍出版業界ニュース、NY地元ネタ、露ネコ動画、全米馬鹿ニュース、日米文化比較、ネイティブの英語などをつぶやきます。萌少女絵垢はミュート。 http://t.
特定の人種・民族への差別煽動を意味する「ヘイトスピーチ」。本サイトでも何度も取り上げてきた通り、国内でも中国や韓国など他国やその民族への憎悪・偏見を掻き立てる「ヘイト本」が書店に並ぶことへの違和感が現在進行形で叫ばれている。昨年10月には「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」という団体がヘイト本の氾濫に異を唱える『NOヘイト! 出版の製造者責任を考える』(ころから)という書籍も出版されている。 それに続けて今年の2月、ちょっと気になる本が刊行された。その名も『ハーレムの闘う本屋 ルイス・ミショーの生涯』(あすなろ書房)。アメリカで公民権法が誕生する30年近く前、まだ黒人の権利が保障されていなかった時代に、黒人の力になりそうな本だけをセレクトして集めた「ナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストア」(NMAB)という本屋がニューヨークに誕生した。その店主であるルイス・ミシ
書店に行くといつの頃からか目につくようになった、いわゆる「嫌韓嫌中」本。電車に乗れば中吊りにも、駅売店のビラにも「嫌韓嫌中」を煽る雑誌や夕刊紙の広告が並びます。路上ではヘイトスピーチ(差別煽動表現)が横行し、排外主義が私たちを覆い始めていることを感じずにはいられません。こうした風潮に、出版業界内から「NOヘイト!」の声を上げはじめたのが「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」です。設立された経緯や行ってきた活動、またこれからの展望について、メンバー3人にお話を伺いました。 写真右から:岩下結(いわした・ゆう)1979年生まれ。社会科学系出版社勤務。真鍋かおる(まなべ・かおる)1964年生まれ。人文系出版社勤務。森幸子(もり・さちこ)1976年生まれ。小規模総合出版社勤務。 会の立ち上げを フェイスブックで呼びかけたわけ ――まず「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者
世界文学が読まれない、売れない、翻訳できない 『絶望名人カフカの人生論』の著者、頭木弘樹さん(@kafka_kashiragi)が「海外文学の翻訳が売れないから、翻訳できなくなってきている」というつぶやきが3000RTを超えた。 https://twitter.com/kafka_kashiragi/status/534536316197679104:title#怖ろしい話を聞いた…。海外文学の翻訳は、初版1500部とか、初版印税ナシが普通になってきているという。増刷はなかなかされないだろうから、初版印税ナシだと、実質、無報酬に。初版1500部でも、生活はとてもできない。これでは翻訳をする人はいなくなってしまう。したくても生活できない。 「印税と翻訳料の違い」(わたしの周囲は若手が多いためか無報酬の話が多く、あっても微々たるものだろうが)や「業界全体の話なのかどうか」「そもそも本当の話なの
頭木弘樹📕UC『自分疲れ』『絶望名言』『うんこ文学』『食べることと出すこと』まっくら図書館の読書会 @kafka_kashiragi 怖ろしい話を聞いた…。海外文学の翻訳は、初版1500部とか、初版印税ナシが普通になってきているという。増刷はなかなかされないだろうから、初版印税ナシだと、実質、無報酬に。初版1500部でも、生活はとてもできない。これでは翻訳をする人はいなくなってしまう。したくても生活できない。 頭木弘樹📕UC『自分疲れ』『絶望名言』『うんこ文学』『食べることと出すこと』まっくら図書館の読書会 @kafka_kashiragi さらに、海外文学の翻訳の場合、海外の著者に当然、著作権料の支払いをする必要があり、そのためには、国内・国外エージェントに手数料を支払わなければなりません。 それを負担できない出版社が、もう多いのだそうです…。
2014.11.02 ライトノベルはトラブルが多い。だったらどうするか。 カテゴリ:カテゴリ未分類 私はいろんなジャンルで仕事してきましたが、ライトノベルは他のジャンルに比べてトラブルが多いです。 http://subcultureblog.blog.fc2.com/blog-entry-10594.html http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1273671487 http://blog.livedoor.jp/ninji/archives/41059572.html 打ち合わせの最中に名前を間違う、目を閉じてるので考え事をしているのかなと思うと居眠りをしている。放置、連絡ミス、編集者の支払い伝票切り忘れによる印税の未払い、もういろいろ。 私ははじめ、なんでこんなに仕事しにくいのかわかりませんでした。 急激に膨
株式会社オークラ出版(オークラしゅっぱん)は、日本の出版社。 概要[編集] 桜桃書房(東京都目黒区上目黒1-18-6 桜桃ビル)の関連会社から独立し、多ジャンルの書籍を発行。桜桃書房が経営危機に陥った際、業務を継承したのち統合[1]。 2013年に創業者で代表取締役だった長嶋正博が急死[2]。妻のうつぎが後を継いだ。 海外ロマンス文庫を翻訳したマグノリアロマンス、海外ミステリーを翻訳したマグノリアブックスを出版している。近年では、アート、写真集などの書籍も出している。 沿革[編集] 1981年4月 - 有限会社オークランドを設立[3]。 1990年4月 - 編集プロダクションとして株式会社オークラ出版を設立。 1995年1月 - 各取次と契約して出版開始[4]。 1995年12月 - 本社を目黒区から千代田区に移転。 2003年5月 - 本社を目黒区に移転。 2004年4月 - 株式会社櫻
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