芸もないが、今回もちくま学芸文庫版のサルトル『存在と無』から、興味深い箇所をメモ。 存在と無―現象学的存在論の試み〈2〉 (ちくま学芸文庫) 作者: ジャン=ポールサルトル,Jean‐Paul Sartre,松浪信三郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/12/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (21件) を見る 巻2の終わりのほうだが、「まなざし」によって「対象化する/対象化される」という相克の関係が、他人に関わる自己の存在のあり方(対他存在)の本質であると考えるサルトルは、その相克的なあり方をもっとも代表的にあらわすものとして「性的欲望」というもの、つまりは人間の性的な存在(関係)のあり方を捉え、そこからさまざまな事象を記述していく。 たとえば、こんな風に書いてある。 われわれは、決して、平等の次元に、具体的に身を置くことができない。い