■ドコモのオファーは2007年だった 「ウィ!!ウィ!!ウィ!!」と鳴った瞬間、その場にさっと緊張感が走り、血圧は上昇し、(人によっては)恐怖で体が固まる、あのケータイの緊急地震速報「エリアメール」の警報音。その作者は、なんと“癒やし音楽”の巨匠だった! 「本当に、僕の予想以上に頻繁に鳴ってしまい……。皆さんを怖がらせて申し訳ない気持ちです」 まったくご自分の責任ではないのに、恐縮しながらそう語る小久保隆さんは、1970年代からシンセサイザーと電子音の分野で最先端を走り続けてきた音楽家。ヒーリングミュージックのCDを数多くリリースするとともに、六本木ヒルズアリーナや東京ディズニーリゾート「イクスピアリ」などの空間音楽を手がける「音環境デザイナー」としても活躍中だ。 ――そもそもの話なんですが、あのおっかない音って「3・11」以前からあったんですね。 【小久保】ドコモさんから依頼を受けたのは