「望まない妊娠」を防ぐための緊急避妊薬が、日本で初めて承認される。世界の大半の国で使われており、日本でも承認が待たれていた。関係者は「避妊の失敗やレイプ被害などに、より安全に対応できる。中絶数も減るだろう」と期待している。 (野村由美子) この薬は、製薬会社「そーせい」(東京都千代田区)が二〇〇九年に承認申請していたレボノルゲストレル(商品名ノルレボ錠)。黄体ホルモンが成分の薬で、性交から七十二時間以内に二錠の錠剤を飲むことで、妊娠を約80%阻止できる。医師の処方が必要で保険は適用されない。昨年末、厚生労働省の薬事分科会が承認を了承し、間もなく正式承認される予定だ。 「長かったという思いがあります」と振り返るのは、日本家族計画協会家族計画研究センター所長の北村邦夫医師。同医師によると、国連加盟の百九十二カ国の中で、このタイプの緊急避妊薬を承認していないのは、日本やイラン、アフガニスタン、ペ