義務教育は、人間生活の基礎になる 良い発展をする社会というのは、不平等感の少ない社会だ。つまり、格差社会の真逆。若者のスタート地点を揃え、平等にチャンスを与えることのできる社会である。そこでまず大切なのは、初等教育の質となる。 人は義務教育で、いわゆる「読み、書き、そろばん」という最低限の教養を身につける。義務教育を逸してしまうと、あとの人生のチャンスが閉ざされ、あっという間に社会から落ちこぼれ、職もお金もないまま漂う、あるいは、犯罪に走るという道をたどる可能性が高くなる。 また、遅ればせながら奮起したとしても、義務教育なしでは、その上の学校に進学することが難しい。義務教育は、人間生活の基礎だ。頼みの綱だ。だからこそ、侮ることはできない。 6月5日、PHP研究所より、『なぜ日本人は、一瞬でおつりの計算ができるのか』というタイトルの本を上梓した。 825円の物を買う人が、財布の中を覗き、即座