■就活する君へ 「自分の可能性にふたをしない限り年齢は関係ない」。今泉健司さんが昨年末、41歳で将棋のプロ入りを決めた後に語った言葉です。14歳のときに棋士を志してから27年。棋士への道は2度断念を余儀なくされ、そのつど新たに職を求めました。最後にたどり着いたのが介護の仕事。この経験が夢をかなえるきっかけとなりました。 ◇ ――この春、プロとしての一歩を踏み出しました。 「ぼくの年齢は将棋界では『高齢』です。勢いのある若手に勝たなくては生き残れません。ただ、結果は出してみせます。その可能性を信じていなければ棋士を目指していません。たとえ打ちのめされても、何回でもやり直せばいいんです。人生、リセットはできないけど、リスタートはできるんですから」 ――三度目の正直を果たせた要因は。 「技術は『奨励会』のころもそんなに低くなかったと思います。1回目はあと1勝すればプロになれるという状況が