2022年6月9日付の米科学雑誌『Science』に、小惑星リュウグウから回収されたサンプルと、地球でこれまでに12例しか確認されていない希少なイヴナ型(CIコンドライト)の隕石が化学的に類似していることを明らかにした論文が掲載された。リュウグウのサンプルと比較したところ、太陽系初期の物質の名残を留めるもっとも始原的な物質とされてきたイブナ型隕石でさえ、地球環境に曝されたことによる変質が起きていることがわかった。小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰ったリュウグウの物質は、太陽系の歴史のものさしとなっていた物質の解釈に更新を迫るものになりそうだ。 Samples from the asteroid Ryugu are similar to Ivuna-type carbonaceous meteorites 東京工業大学理学院地球惑星科学系の横山哲也教授らは、「はやぶさ2」が持ち帰ったリュウグ