ブックマーク / synodos.jp (507)

  • 「おじさんの詰め合わせ」と「おばさんの詰め合わせ」―炎上に分岐点は来るのか/田中辰雄 - SYNODOS

    最近おきた3つの炎上事件、しまむらの幼児服・男の体臭・おじさんの詰め合わせの炎上はこれまでとは違い、男性側が責める側すなわち攻撃側になっているという特徴がある。この点で炎上を見直す一つの分岐点になる可能性があり、以下ではそれを検討する。結論から言うと、炎上を抑制する方向への分岐の萌芽は見いだせる。むろん、まだ弱いものであるが、注視していく価値はあるだろう。 1.三つの炎上事件とその背景 まず、事件を簡単に解説する。しまむらの幼児服事件とは、あるデザイナーと共同企画した幼児服に子供視点とみられる言葉が書いてあったが、母親については「ママがいい」「ママいつもかわいいよ」とあるのに対し、父親については「パパはいつも寝てる」「パパはいつも帰り遅い」「パパは全然面倒を見てくれない」など不満の言葉が述べられていた事件のことである。これに対し、男が頑張って働いている事を評価しない、あるいは幼い子供に父親

    「おじさんの詰め合わせ」と「おばさんの詰め合わせ」―炎上に分岐点は来るのか/田中辰雄 - SYNODOS
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    maeda_a 2024/09/19
    “今回の炎上事件は、炎上での男女の非対称性を問題視している。この点では確かにこれまでにない特性を持っている。 そして注目すべきはこの点に関しても男女の意見の差がそれほど大きくはないことである”
  • アサクリ・弥助炎上事件――正義とキャンセルカルチャー/田中辰雄 - SYNODOS

    (1)事件の概要 第一幕:ゲーム炎上 アサクリ・弥助の炎上事件は単なる一ゲーム炎上事件以上の思わぬ広がりを見せており、下手をすると国際問題になる可能性がある。この事件について簡単な調査を行ったので報告する。 まず、多くの人はこの事件のことを知らないと思われるので簡単にいきさつを説明する。事の起こりはアサシンクリードというゲームの予告が炎上したことである。 このゲームはフランスのゲーム会社UBI制作の人気シリーズで、過去のさまざまな場所・時代にアサシンとして乗り込み、同様に過去の時代・場所に乗り込む能力を持った敵の勢力を倒していくゲームである。これまでに、ルネサンス期のイタリア、産業革命期のロンドン、独立戦争時のアメリカなど様々な舞台でのゲームが発売されており、その時代の建物・風俗などが忠実に再現されていることでも話題となった。 このシリーズが日の戦国時代を舞台としてつくられることにな

    アサクリ・弥助炎上事件――正義とキャンセルカルチャー/田中辰雄 - SYNODOS
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    maeda_a 2024/08/22
    “正義は世界を分断する”
  • 8分で読める「ブラックホール」:出生率と少子化についての適切な理解に向けて/中里透 - SYNODOS

    「0.99ショック」をきっかけに東京の出生率の低さに再び注目が集まっています。2か月ほど前に公表された人口戦略会議(議長=三村明夫・日製鉄名誉会長)の報告書では、東京都の16の区をはじめとする25の自治体が「ブラックホール型自治体」とされ、東京は「人を吸い込むブラックホール」であると報じる新聞やテレビのニュースもありました。 0.99という数字に象徴されるように、東京が子どもを産み育てにくい場所だとすれば、地方から東京へという「人の流れ」が変わらない限り、少子化と人口減少がますます加速してしまうことになりかねません。 もっとも、「東京はブラックホール」という議論については、その意味するところに留意して、その状況を注意深くながめていく必要があります。というのは、この議論のもとになっている出生率の指標(合計特殊出生率)にはバイアス(特定の方向への偏り)が含まれている可能性があるからです。デー

    8分で読める「ブラックホール」:出生率と少子化についての適切な理解に向けて/中里透 - SYNODOS
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    maeda_a 2024/06/26
    “出生率と少子化をめぐる議論に資することを願って、Q&Aの形式でこの問題に関する論点について取りまとめてみたいと思います”
  • 少子化傾向は「反転」するか?(その1):出生率をめぐる「不都合な真実」/中里透 - SYNODOS

    少子化傾向は「反転」するか?(その1):出生率をめぐる「不都合な真実」 中里透 マクロ経済学・財政運営 社会 昨年(2023年)の出生率は既往最低の1.20となった(厚生労働省「令和5年人口動態統計月報年計(概数)の概況」による速報値)。低下はこれで8年連続となる。これをうけて新聞には少子化対策のなお一層の充実などを求めるコメントが数多く並んだ。少子化と人口減少への対応は喫緊の課題である。 もっとも、残念なことに、少子化をめぐる議論にはともすると不思議な話が紛れ込む。「女性の就業率が高まると出生率が上がる」「出生率の低い東京に多くの若者が集まると少子化がますます進む」がその典型例だ(なぜこれが不思議な話なのかということについては後述)。 少子化対策を子育て支援の充実と同視する見方にも一定の留保が必要かもしれない。この30年ほどの出生率の低下には、未婚率の上昇が大きな影響をもたらしているから

    少子化傾向は「反転」するか?(その1):出生率をめぐる「不都合な真実」/中里透 - SYNODOS
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    maeda_a 2024/06/17
    “残念なことに、少子化をめぐる議論にはともすると不思議な話が紛れ込む。「女性の就業率が高まると出生率が上がる」「出生率の低い東京に多くの若者が集まると少子化がますます進む」がその典型例だ”
  • 3.11以後の世界とSF第一世代の可能性/新城カズマ×稲葉振一郎×田中秀臣 - SYNODOS

    想像を超える自然災害、急激に変貌する経済の動向、日常生活が直面する先の見えない不安。東日大震災以後、私たちの想像力と論理的思考の成果と限界とが問われて続けている。 SFというものは、人間の思索(Speculation)の限界に挑戦し、その限界を拡張する試みだといわれている。例えば、多くの日人は日を代表したSF作家小松左京の『日沈没』のエピソードのいくつかを、今回の大震災においても想起したに違いない。それは小松の世界観の強度を改めて私たちに認識させると同時に、また私たちが(小松でさえも予想しなかったような)新しい環境に直面していることをもいやでも認識する出来事だったろう。 今回の座談に集まった私たち三者は、小松左京を中心に、日SF「第一世代」といわれる作家たちの業績を振り返り、その3.11以後における想像的可能性について語り合った。作家、社会学者、経済学者と専門とする領域は異なる

    3.11以後の世界とSF第一世代の可能性/新城カズマ×稲葉振一郎×田中秀臣 - SYNODOS
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    maeda_a 2024/05/27
  • 東京ブラックホール論は本当か?/小黒一正 - SYNODOS

    現在、政府は、「証拠に基づく政策立案」として、EBPM(Evidence Based Policy Making)を推進しており、正しい情報やエビデンスに基づいた政策の議論が重要となってきている。 このような状況のなか、この関係で筆者が気になっているのは、政府関係者や民間有識者らで構成する「人口戦略会議」が、2024年4月24日に公表したレポート(『地方自治体「持続可能性」分析レポート』)である。人口戦略会議のメンバーのリストには、議長(日製鉄名誉会長)の三村明夫氏や、副議長(日郵政㈱代表執行役社長)の増田寛也氏、内閣官房参与の山崎史郎氏、元日銀総裁(青山学院大学特別招聘教授)の白川方明氏など、錚々たる顔ぶれが並ぶ。このため、この団体からの情報発信は強力なパワーをもち、マスコミにも相当な影響力がある。 このような構図のなか、今回のレポートでは、出生率が低い一方、域内人口の増加分を他地域

    東京ブラックホール論は本当か?/小黒一正 - SYNODOS
    maeda_a
    maeda_a 2024/05/20
    “このような人口移動により、見かけ上、地域別のTFRが低下することは実際に確認でき、例えば、大学生(女子学生)が多い京都市のほか、練馬区や豊島区のTFRが低い理由もここにあり、そもそも地域別TFRの比較で…”
  • 東京は「ブラックホール」なのか(その2):「東京国」と「地方国」で考える/中里透 - SYNODOS

    出生率のデータが公表されると、東京都はいつも最下位となる。にもかかわらず、若者は東京に集まる。出生率の高い地域から低い地域に人が動けば、日全体として出生数が減り人口減少が加速する。全国から若い人を集めておきながら、次の世代を担う子どもたちを生み育てることのない東京は「ブラックホール」である。 このように、東京=「ブラックホール」論は理路整然としていて、とてもわかりやすい。東京の出生率が他の地域と比べて低いということも、人口移動において東京が転入超過であるということも統計的な事実だから、実証的にも非の打ち所がないように見える。 だが、はたしてこの話はどこまでもっともらしいのだろうか。どこかに見落としはないのだろうか。 前回は「東京は出生率が低い」という議論がなされるときに用いられる出生率の指標、すなわち合計特殊出生率とはどのようなものか、この指標を利用する際に注意すべきことは何かということ

    東京は「ブラックホール」なのか(その2):「東京国」と「地方国」で考える/中里透 - SYNODOS
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    maeda_a 2024/05/17
    “人口が流入する地域ほど未婚率が高く、流出する地域ほど未婚率が低くなる傾向が確認できる…未婚率が高い地域で出生率が低く、未婚率が低い地域で出生率が高いのは自然な話ということになる”
  • 東京は「ブラックホール」なのか?(その1):少子化にまつわるエトセトラ/中里透 - SYNODOS

    東京は「ブラックホール」なのか?(その1):少子化にまつわるエトセトラ 中里透 マクロ経済学・財政運営 社会 出生率に関するデータが公表されると、きまって東京の出生率が低いことが話題となり、「子育て支援策の充実を」「子供を産み育てやすい街づくりを」という趣旨のコメントが新聞やテレビに登場する。 出生率が低い東京に全国から若者が集まってくるから(就学・就職などで)、そうなると次の世代を担う子ども達が生まれにくくなり、少子化と人口減少がますます加速する。東京は若者を飲み込む「ブラックホール」だから、日の国力の衰退を止めるには今こそ東京一極集中の是正と地方分散を、という話になる。 だが、このような見立てはどこまで妥当性を持つものなのだろうか。議論に大きな見落としはないのだろうか。以下ではこれらの点について考えてみることとしたい。 1.東京の「出生率」は低いのか? 合計特殊出生率の「分母」と「分

    東京は「ブラックホール」なのか?(その1):少子化にまつわるエトセトラ/中里透 - SYNODOS
    maeda_a
    maeda_a 2024/05/04
    『人口流入が多いのに出生率が低いブラックホール』ではなく、『高校生や大学生が多いと未婚女性が多く合計特殊出生率は下がる』
  • 不適切にもほどがある:健康保険料で子育て支援をやってもいいですか?/中里透 - SYNODOS

    「異次元の少子化対策」は、まさに異次元の政策である。年間で3.6兆円(概数)もの予算が新たに追加されるにもかかわらず、この対策によって出生率がどの程度上がるのかがわからないからだ。 最近、EBPM(合理的な根拠に基づく政策形成)ということがさかんに言われ、霞が関でもさまざまな取り組みが行われているが、肝心な話になると、なぜかその時々の風向きと雰囲気で政策が進められていってしまう。少子化と人口減少への対応は重要な政策課題であるが、「満蒙は日の生命線」というノリで「産めよ、殖やせよ国のため」とやっても、首尾よく成果をあげることはできないだろう。 何事についても目的と手段の関係を明確にし、コスパ(費用対効果)をきちんと考えて現実的な対応をとることが必要だ。「これからの6~7年が、少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンス」と唱えていさえすれば数兆円規模の支出増が実行に移せるということであれ

    不適切にもほどがある:健康保険料で子育て支援をやってもいいですか?/中里透 - SYNODOS
    maeda_a
    maeda_a 2024/04/25
    “年間で3.6兆円(概数)もの予算が新たに追加されるにもかかわらず、この対策によって出生率がどの程度上がるのかがわからない”
  • ジェイソン・ブレナン『アゲインスト・デモクラシー(上下)』(井上彰・小林卓人・辻悠佑・福島弦・福原正人・福家佑亮訳、勁草書房、2022年8月)/吉良貴之 - SYNODOS

    ジェイソン・ブレナン『アゲインスト・デモクラシー(上下)』(井上彰・小林卓人・辻悠佑・福島弦・福原正人・福家佑亮訳、勁草書房、2022年8月) 吉良貴之 法哲学 政治 私たちは一定の年齢に達すれば選挙権が与えられる。しかし、政治的に無知な人々があまりに多く投票するために民主主義の危機が起こっている。そこで次の選挙からは政治的知識について共通テストを実施し、90点以上を取った者だけが投票できるようにしよう。――この提案は受け入れがたいだろうか。もしそう思うとすれば、それはなぜだろうか。 書は現代の分析政治哲学の第一人者ジェイソン・ブレナンによる、包括的な反民主主義理論の書である。その主張によれば、民主主義は人々が思いこんでいるほどよいものではまったくなく、むしろ人々を敵対させるなど、有害な面さえ多くあるという。その克服のためには、人々をできるだけ政治から遠ざけ、政治への参加は知的に厳選され

    ジェイソン・ブレナン『アゲインスト・デモクラシー(上下)』(井上彰・小林卓人・辻悠佑・福島弦・福原正人・福家佑亮訳、勁草書房、2022年8月)/吉良貴之 - SYNODOS
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    maeda_a 2024/04/24
    “政治的に無知な人々があまりに多く投票するために民主主義の危機が起こっている。そこで次の選挙からは政治的知識について共通テストを実施し、90点以上を取った者だけが投票できるようにしよう。―この提案は…”
  • データでウソをつく法:少子化対策について考える/中里透 - SYNODOS

    つい最近まで、社会保障の議論では「2025年問題」ということが現実の問題として頻繁にとりあげられた。これは「団塊の世代が75歳に到達する2022年から2025年にかけて、社会保障費が急増する」という話だ。 だが、2025年を翌年に控えた今(2024年)、このフレーズを見かける機会はほとんどない。「2025年にかけて社会保障費が急増する」という話が錯覚や思い込みでしかないことが、実際のデータから明らかになったからだ(なぜこのような錯覚が生じたのかという点については、2018年に公表された下記レポートをご覧ください。 「190兆円の社会保障費をどのようにとらえるか-「2025年問題」の虚像と実像」(ニッセイ基礎研)[https://www.nli-research.co.jp/files/topics/58888_ext_18_0.pdf?site=nli])。 このような経緯があるにもかかわ

    データでウソをつく法:少子化対策について考える/中里透 - SYNODOS
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    maeda_a 2024/04/20
    「団塊の世代が75歳に到達する…2025年にかけて、社会保障費が急増する」という「2025年問題」、「結婚適齢期の人口が急激に減る2030年代になると、出生数の減少傾向を反転させることが難しくなる」という「2030年の崖」
  • アミア・スリニヴァサン『セックスする権利』/吉良貴之 - SYNODOS

    書の題名「セックスする権利」は、一見したところぎょっとさせる。たとえば、いわゆる「インセル」、書の説明によれば「自分はセックスできてしかるべきだと思いこんでいて、その権利を奪っている女性たちに怒りを燃やす男性」(p. 102)に、権力が女性を「あてがう」必要はない。それはあまりにも当然のことだが、次のような場合を考えてみよう。子どもたちがおたがいにサンドイッチを分け合っている。しかし、ある子どもだけのけものにされ、その交換の輪から排除されている。そこでその子にサンドイッチを分け与える「義務」は誰にもないのだろうか。たとえ「ない」としても、それは「義務ではない」というだけでは不十分ではないか。 この類比は、セックスがサンドイッチと同様に分配されるべきだということを意味しない。それは別物だろう。では、どのように異なるのか。書は「セックスをそれ自体として扱う方法」(p. 102)を見つけよ

    アミア・スリニヴァサン『セックスする権利』/吉良貴之 - SYNODOS
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    maeda_a 2024/03/08
  • 「ノルム」は変わったか:2023年の経済を振り返る/中里透 - SYNODOS

    後から振り返ると、今年は時代の大きな転換点だったということになるかもしれない。今年は「〇〇年ぶり」という30年単位での変化を伝えるニュースが数多くあった。消費者物価指数は41年ぶりの上昇率、賃上げ率は31年ぶりの高水準、日経平均株価は33年ぶりの高値、というように。 過去30年ほどを振り返ると、西暦の下1ケタが「3」の年にはいずれも大きな変化が生じている。今から10年前、2013年はアベノミクスと異次元緩和が始まった年だ。その10年前、2003年には5月に「りそなショック」(りそな銀行に対する公的資金の注入が決定)があり、4月25日にバブル崩壊後の最安値となった日経平均株価は、これを機に上昇に転じた。その後、同年11月の足利銀行の一時国有化を経て、日の金融システムはひとまず安定性を取り戻し、日経済は不良債権の足枷からようやく自由になることができた。 そこからさらに10年前、1993年に

    「ノルム」は変わったか:2023年の経済を振り返る/中里透 - SYNODOS
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    maeda_a 2023/12/27
    多くの識者は、もっと早く物価上昇が収まると予測していたが、思ったより強い消費に支えられ物価上昇が続いている。しかし何らかのショックでデフレに逆戻りするリスクはなお残る。
  • マイナス金利 ―― 冷静な議論のための論点整理/中里透 - SYNODOS

    このところ、マイナス金利の解除をめぐる議論が活発に行われている。マイナス金利を続けながら、円安の行き過ぎを懸念して為替介入をするというのは平仄が合わないから、日銀当座預金に対するマイナスの付利を適切な形で見直すというのはおかしなことではない。 もっとも、「急いては事を仕損ずる」という場合もある。2000年8月に行われたゼロ金利政策の解除がその典型例だ。物価の情勢がまだ十分に見通せない中、デフレ懸念の払拭が展望できるようになったとしてゼロ金利を解除したものの、ITバブル崩壊の影響もあって景気が悪化。物価下落の圧力が高まったとして2001年2月に公定歩合の引き下げが行われ、3月には量的緩和という形で事実上のゼロ金利政策に復帰せざるを得なくなった。 この点からは、景気と物価の状況を慎重に見極めて、誤りのない判断をしていくことが必要になる。海外景気に下振れのリスクがあることを踏まえれば、なおさらだ

    マイナス金利 ―― 冷静な議論のための論点整理/中里透 - SYNODOS
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    maeda_a 2023/12/18
    “最近の議論をながめていて不思議なのは、マイナス金利の解除が金融政策の大転換と受けとめられていることである” “マイナス金利の解除は銀行が日銀にお金を積みやすくする措置であり…”
  • 科学者は政策形成にどう貢献しているのか?――公衆衛生における「科学-政策インターフェイス」について/鈴木基 - SYNODOS

    科学者は政策形成にどう貢献しているのか?――公衆衛生における「科学-政策インターフェイス」について 鈴木基 感染症疫学、国際保健学 科学 はじめに 「科学-政策インターフェイス(science-policy interface)」という言葉があります。科学技術の急速な発展に伴って社会的課題は複雑化しており、何が問題なのかを正確に理解して解決策を探るには、科学者の協力が不可欠です。一方で、様々な利害関係を調整することが求められる政策形成の過程においては、科学的に正しい見解が必ずしも社会の最適解であるとは限りません。科学-政策インターフェイスとは、政策過程で科学者と政治家や行政官の活動が交わる境界域のことであり、新型コロナウイルス感染症の対策を巡って専門家と政府が協力と対立を繰り広げたのも、まさにそのような場所だったと言えるでしょう。 前回の論稿(「公衆衛生政策における介入の基準設定について」

    科学者は政策形成にどう貢献しているのか?――公衆衛生における「科学-政策インターフェイス」について/鈴木基 - SYNODOS
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    maeda_a 2023/10/10
    “科学者共同体が役割を果たすことが出来るかどうかは、事前あるいは事後に政治家-行政官共同体と諸々の合意が成立するかどうかにかかっており、決して確定的なものではありません”
  • 「シルバー・デモクラシー」の虚偽/吉田徹 - SYNODOS

    「シルバー・デモクラシー(シルバー民主主義)」という言葉が人口に膾炙してから久しい。その象徴として、国政選挙での若年層の低投票率などが取り上げられる。これは選挙報道で各党や各党候補者を平等に扱えず、かといって政策検証などは関心をひかないため、中高年視聴者や読者のための恰好のネタでもあるからだ。ただ、その効果は無視できないと見え、メディア関係者のみならず、大学生などと会話していると、日の民主主義の問題点として、必ずといっていいほどなされる主張だ。なお、先の2021年衆院選で60代の投票率は71%、対して20代の投票率は36%だった。 そもそも「シルバー・デモクラシー」は何を意味するのか――もっとも早くこの言葉を使ったのは、著名な政治学者だった内田満が1986年に著した『シルバー・デモクラシー 高齢社会の政治学』(有斐閣)だと思われる。ただ、これは長寿社会を迎える日で、高齢者がいかに政治

    「シルバー・デモクラシー」の虚偽/吉田徹 - SYNODOS
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    maeda_a 2023/09/06
    “シルバー・デモクラシーがなぜ問題なのかを主張するものには、3つのバージョンがあることが確認できる”
  • 放射線被ばくと甲状腺がんとの関連はなし・将来的にも見られない――甲状腺検査評価部会まとめ案 - SYNODOS

    原発事故後、福島県では原発事故当時18歳未満だった全県民を対象に甲状腺検査が実施されています。甲状腺検査は、原発事故による放射線の甲状腺がん発生への影響の有無を調べる医学調査です。調査の結果は福島県「県民健康調査」検討委員会の下部組織甲状腺検査評価部会が解析を担当し、現在5回目まで実施されている甲状腺検査の1回目~4回目の結果をもとに、2023年7月28日に3回目の部会まとめを公表しました。部会長は医療法人 保内郷厚生会保内郷メディカルクリニック(茨城県)の鈴木元氏です。 ポイントは以下の通り。 ①2回目よりも明確に放射線被ばく線量と見つかった甲状腺がんとの関連がないことが分かった。 ②今後も見つかる甲状腺がんと放射線被ばく線量との関連は見られない可能性が高い。 まとめ案は「今回の解析ではより明確に被ばく線量の増加に応じて(甲状腺がんの)発見率が上昇するといった一貫した関係(線量・効果関係

    放射線被ばくと甲状腺がんとの関連はなし・将来的にも見られない――甲状腺検査評価部会まとめ案 - SYNODOS
    maeda_a
    maeda_a 2023/08/28
    “①2回目よりも明確に放射線被ばく線量と見つかった甲状腺がんとの関連がないことが分かった。 ②今後も見つかる甲状腺がんと放射線被ばく線量との関連は見られない可能性が高い”
  • コミュニティノート考――成功か失敗か、偏りはあるのか/田中辰雄 - SYNODOS

    ツイッターにコミュニティノートが追加された。コミュニティノートとは誤情報を修正するための工夫であり、その特徴は専門家や運営者が行うのではなく、ツイッターユーザ自らが行う点にある。この機能には賛否両論があり、役立っているという評もあれば偏りがあるという批判も見られる。今回、ユーザへのアンケート調査でこの機能の実態と評価を調べたので報告する。結論から言うと、多少の偏りはあるものの、コミュニティノートをおおむね肯定的に評価する人が多い。ここまでのところコミュニティノートは人々の支持を得ており、成功しているようである。 1.コミュニティノートとは コミュニティノートを知らない人もいると思われるので最初に簡単に説明する。コミュニティノートとは、ツイートに対して他のユーザがつける注釈である。図1で「閲覧したユーザが背景情報を追加しました」とあるのがそれである。 図1(a)は「マイナンバーカード人希望

    コミュニティノート考――成功か失敗か、偏りはあるのか/田中辰雄 - SYNODOS
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    maeda_a 2023/08/23
    “コミュニティノートに保守バイアスはあるか?”
  • 日本国憲法における「同性婚導入」と「パートナーシップ導入」―近時の裁判例とその先の議論―/村山美樹 - SYNODOS

    1.憲法の婚姻条項と「同性婚導入」・「パートナーシップ導入」 近年欧米諸国を中心に、同性婚を導入する傾向がみられます。我が国においても、各地方自治体において、種々のパートナーシップ制度が認められるなど、これにあわせる動きが認められます。ただ現在(2023年6月)においても法律レベルにおいて、①同性婚の導入(現行の婚姻を同性同士でも締結可能とすること)も、②婚姻類似のパートナーシップの設立も、なお達成されていません。 では、この①または②を可能とする法律が可決された場合、これは日国憲法の観点から、どのように評価されるでしょうか(以下、法律によって同性婚制度が導入されることを「同性婚導入」、婚姻類似のパートナーシップ制度が法律によって導入されることを「パートナーシップ導入」とします)。 条文を確認しますと、いわゆる家族・婚姻条項といわれる日国憲法24条1項(以下、日国憲法は憲法とします)

    日本国憲法における「同性婚導入」と「パートナーシップ導入」―近時の裁判例とその先の議論―/村山美樹 - SYNODOS
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    maeda_a 2023/07/27
  • ラファエル・マリアーノ・グロッシ国際原子力機関(IAEA)事務局長記者会見 - SYNODOS

    2023年7月7日、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・マリアーノ・グロッシ事務局長が、東京都千代田区の日プレスセンタービルで記者会見を開きました。IAEAは7月4日に、東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水(以下処理水)海洋放出に関する包括報告書を公表し、放出計画は「国際的な安全基準に整合的である」との評価結果を示しました。7日の記者会見では、報告書の意義などについて国内外のメディアの質問に答えました。 グロッシ 7月4日に、東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出に関する包括報告書を公表しました。5日には福島県を訪問させていただきました。11人の首長や漁協の方と、直接お話しさせていただいたことは、私にとってとても良い経験となりました。彼らは処理水海洋放出で、最初に影響を受ける方々ですから。 加えて、福島第一原発も視察しました。去年も訪れましたが、処理水希釈放出設備の建設

    ラファエル・マリアーノ・グロッシ国際原子力機関(IAEA)事務局長記者会見 - SYNODOS
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    maeda_a 2023/07/18
    “絶対に受け入れてくれない人もいると思います。それはしかたがないことです。我々はそれにめげずに適切な活動を続けます。「環境への影響はない」と説明しつづけることが大事です。最終的には理解を得られると…”