「安倍路線」の継承を掲げて総理に就任した菅義偉氏。官房長官時代の会見では、不都合な質問を封じ、強弁で押し通した。こうした姿勢は総理となった今も続いている。 【写真】「菅さんは会見で決定的なミスをした」と語る望月衣塑子記者の姿はこちら 権力者と記者との関係の問題点に切り込み、旧態依然としたメディアの体質にも警鐘をならした『政治部不信 権力とメディアの関係を問い直す』(朝日新書)。朝日新聞政治部記者で著者の南彰氏が、これからの時代のメディアの在り方を考える。(二兎社公演、永井愛作・演出「ザ・空気 ver.3」パンフレットの寄稿を転載・一部加筆) * * * 現代日本の政治権力の品性が凝縮された笑みだった。 2020年12月4日。首相に就任して初めての臨時国会を終えた菅義偉首相が記者会見を行った。日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命を拒否した問題について、多くの学会から任命拒否撤回を求め