かつては西ヨーロッパ最強の一つであったフィンランド経済の低迷が続いている。主要産業は不振で、競争力も低下。負債の増加、失業率の上昇も顕著で、政府は危機感を募らせる。しかし、低迷の原因は強いユーロにあるとの指摘もあり、ユーロ圏離脱を求める声が高まっている。 ◆いまや「欧州の病人」 慢性的に落ち込む経済、失業、自由経済改革への反感と言えば、ギリシャ、スペイン、ポルトガルなどの南ヨーロッパの問題だと思われているが、実は今その状態にあるのが、フィンランドだとブルームバーグは述べる。隣国ロシアからの受注の減少、製紙産業の衰退、ノキアの没落が響き、2012年から経済は毎年縮小。国民の税と社会保障の負担はEU内では4位と重いが、負債はイタリアより相対的に高い。失業率も昨年12月には9.2%となり、北欧諸国の中で最も高い状態になり、ストゥブ財務相は自国を最新の「欧州の病人」と呼ぶ(ブルームバーグ)。 世界