百貨店の生き残り策が鮮明になってきた。 全国百貨店の10月の売上高は32カ月ぶりに前年実績を上回ったものの、90年代前半に約9兆円だった市場規模は2009年度には6兆5000億円へと縮小。合従連衡により資本力を強めた大手百貨店各社は経営の効率化を図りながら、生き残りをかけた戦いにしのぎを削っている。また小売激戦区では、業績低迷から撤退するケースや新たな百貨店像を模索する動きが活発になっている。 銀座はその象徴的な地域だ。 2010年春、松坂屋銀座店に米国のファストファッションチェーン「フォーエバー21」が出店したのを皮切りに、同店はこの秋に大丸心斎橋店で人気を集めるヤングゾーン「うふふガールズ」を導入。11月20日には銀座の百貨店では初めて家電量販店をオープンした。2年半の期間限定出店とはいえ、“脱百貨店”をめざす大丸松坂屋百貨店の営業戦略が明確になってきた。 一方、9月11日に念願の増床