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ブックマーク / healthpolicyhealthecon.com (8)

  • 生活の時間帯を分けるなどの方法で人と人との接点を減らすことで、経済を回しながら新型コロナを収束できる可能性がある – 医療政策学×医療経済学

    生活の時間帯を分けるなどの方法で人と人との接点を減らすことで、経済を回しながら新型コロナを収束できる可能性がある カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の同僚である西 晃弘先生と一緒に行った研究によると、生活する時間帯を分けるなどの方法で人と人の接点を減らすことで、ロックダウンなど経済に悪影響をおよぼす政策を取らなくても、新型コロナウイルス感染症を収束させることができる可能性があることが明らかになりました。研究結果は、2020年11月11日、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS=米国科学アカデミー紀要) に掲載されました。 論文のポイント ソーシャルネットワーク(人と人が感染リスクのある状態でつながっている社会)を無作為に2つに分け(例えば世帯主のマイ

    生活の時間帯を分けるなどの方法で人と人との接点を減らすことで、経済を回しながら新型コロナを収束できる可能性がある – 医療政策学×医療経済学
  • ホームレスの患者を多く治療している病院の方が、ホームレスの患者の再入院率・救急再受診率が低い

    米国総合内科学会の学会誌であるJournal of General Internal Medicine (JGIM)に2020年7月14日付で、東京大学の宮脇敦士先生、ハーバード大学医学部の長谷川耕平先生との共同研究の結果が掲載されました。この論文では、ホームレスの患者が退院後に病院に戻ってくる割合(退院後30日以内の再入院率・救急再受診率)が、ホームレスの患者を多く治療している病院の方が、ホームレスの患者をあまり治療していない病院よりも低いことを明らかにしました。 米国では50−60万人がホームレス状態にあると推計されており、25人に1人が一生の間にホームレスを少なくとも1度は経験するという報告もあるなど、ホームレス問題は長年深刻な課題です。過去の記事でも述べたとおり、ここでのホームレスは日で一般にイメージされるような、「路上生活者」だけでなく、シェルターなどの一時的な宿泊施設に滞在し

    ホームレスの患者を多く治療している病院の方が、ホームレスの患者の再入院率・救急再受診率が低い
  • 「がんの本」に込めた願い

    Photo by Pixabay on Pexels.com 「がんのを書きませんか?」 大手出版社の敏腕編集者である上村晃大さんは喫茶店の席に座るやいなや、話を切り出してきた。 上村さんとは「原因と結果の経済学」というを出版したとき以来の付き合いである。 経済学部出身の上村さんは、休日返上して学会に出席するようなまじめな編集者である。トンデモがあふれる出版業界の現状に一石を投じることができるような人のためになるをなんとか出したいですよね、と以前から話していた。 その日も学会会場のすぐそばの喫茶店で会っていた。私が一時帰国して日の学会で講演する予定があり、上村さんもその学会に出席していたので、そのあとに打ち合わせをすることにしたのである。 「ご存じないかもしれませんが、日のがんのの市場はひどいものです。屋に行くとがんに関するがたくさん売っていますが、私たち素人にはどれが正

    「がんの本」に込めた願い
  • 医療費が高い県ほど、心肺停止患者が生存する確率が高い

    では医療費の地域格差の議論の中で、医療費は安ければ安いほど良いという論調になっている気がしていますが、これは間違いだと思います。 実際に私達の研究グループが2015年に行った研究によると、日において医療費の安い県では心肺停止患者が生存する確率が低いという結果が得られています。日の47都道府県を県民一人当たりの医療費で3つのグループに分けて解析したところ、低医療費の県では他のグループの県と比べて、院外心肺停止の患者の予後が統計学的に有意に悪いという関係が認められました。 日では以前から、県によって医療費が大きくばらついていることが問題となっており、県ごとに医療費の目標値を設定することが検討されております。しかし、医療費の高い県が、他の県と比べて医療の質が良いのか、むしろ低いのかに関してはほとんど分かっていませんでした。また、医療費のばらつきに比べて、県ごとの医療の質のばらつきは研究

    医療費が高い県ほど、心肺停止患者が生存する確率が高い
  • 妊娠中の女性にとっての「究極の食事」

    (写真:Ⅿeagan/クリエイティブ・コモンズ表示 2.0 一般) 「世界一シンプルで科学的に証明された究極の事」では、健康な人がどのような事をすれば健康を維持できる確率が高まるか説明した。 しかし、人生の中で色々な状況が変われば、最適な事が変わってくることもある。おそらく人生の中で最も事のことが気になるのは女性が妊娠した時ではないだろうか。妊娠中の女性にとっての事は、自分の健康だけでなく、生まれてくる赤ちゃんの健康に影響を与えてしまうからである。 女性が妊娠すると最適な事は変わってくる。胎児の体の組織(器官)が作られる大事な時期であるため、そのために十分な栄養を摂取しておく必要があるからである。つまり、お母さんの健康と胎児の健康の両方を考えなくてはならなくなる。ここでは妊婦が事に関して気を付けるべきことを説明するが、ここでは特に健康上の問題の無い妊婦を想定している。もし何か

    妊娠中の女性にとっての「究極の食事」
  • ニューズウィークが日本の「よい病院ランキング」を発表

    (出典:ニューズウィーク) 2019年3月、米国のニュース情報誌であるニューズウィークが、世界の病院のランキングを発表した。どのランキングが完ぺきではないように、もちろんこのランキングもまだ完ぺきではないが、日国内の雑誌で行われている病院ランキングよりはきちんとした調査を元に作成されているようである。日で良い病院を探している人たちにも有用なランキングであると思われるため、ここに紹介する。 まずはランキングの結果を紹介しよう。第1位が東京大学病院(東京都)、第2位が聖路加国際病院(東京都)、第3位が倉敷中央病院(倉敷市)となっている。1~105位までの全ての病院はこちらで確認できる。 (出典:ニューズウィーク病院ランキング) ではこのランキングは「スコア」によって順序付けがされているが、そのスコアはどのように計算されているのだろうか?ニューズウィークが公開している資料によると、(1)同業

    ニューズウィークが日本の「よい病院ランキング」を発表
    makoto15
    makoto15 2019/04/14
  • 日経新聞 経済教室「医療改革に新たな視点」(2018年12月7日朝刊)

    医療費の2~3割は患者の健康増進に寄与していないという米国の研究結果があります。例えば、健康改善のエビデンスが無い薬や医療機器は医療保険の対象から外すことで、患者の健康を害することなく医療費を抑制することが期待できます。総合感冒薬、風邪に対する抗生物質、エンドトキシン吸着療法などがこれに該当すると考えられます。 予防医療が医療費抑制に有効だと言う意見も、無効だと言う意見も、正確には正しくありません(このように単純化して考えようとすることが混乱の元だと思います)。予防医療の中にも、医療費抑制に有効なものと無効なものが混在しているからです。税を財源にしている以上、エビデンスのあるものに「選択と集中」することで、現在ある財源で(追加の財源を必要とせずに)十分健康増進効果が望めます。具体的には、メタボ健診はその健康増進効果と医療費抑制効果をきちんと評価し、その評価結果次第で修正(再検討)が必要だと

    日経新聞 経済教室「医療改革に新たな視点」(2018年12月7日朝刊)
  • 医療費の水準(Level)よりも、医療費増加率(Growth rate)の方が重要である

    多くの医療経済学者が最近は、医療費の増加率(Health spending growth)の方が、医療費の水準(Health spending level)よりも重要な指標であると考えているようです。ハーバード大学医学部の医療経済学者であるマイケル・チャーニュー教授はこの分野で多くの論文や教科書のチャプターを書いています。彼によると、医療費の水準は今現在のサイズ感は分かりますが、中長期的な展望は分からず、医療費の「自然増」が大きいのか小さいのかという評価が困難です。さらには増加率は例え小さな差であっても長期的にはとても大きなインパクトを与えるのため重要であるということです。今現在の医療費の水準が低くても増加率の高い国は近い将来、医療費負担に苦しむことになると考えられます。一方で、今現在の医療費の水準が高くても、増加率が低く抑えられている国はうまくコントロールされていると捉えることができます

    医療費の水準(Level)よりも、医療費増加率(Growth rate)の方が重要である
    makoto15
    makoto15 2018/10/24
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