映画『トランス』のダニー・ボイル監督 『トレインスポッティング』『スラムドッグ$ミリオネア』などで知られるダニー・ボイルの最新作『トランス』が10月11日(金)より公開される。主人公サイモン役に、日本でも公開を控える『フィルス』などその確かな演技とカメレオンぶりに定評のあるジェームズ・マカヴォイを迎え、記憶を失ってしまった男の潜在意識に入り、消えた絵画を探し出すという設定をスリリングかつスタイリッシュに描いている。ボイル監督が今作で目指したものについて語った。 視覚的な刺激の中に物語を読み解くヒントが隠されている ── 複雑なプロットですが、本作のテーマはどこにあるのでしょうか。 最初は、絵画強盗の話に見えるはずだ。だが、本当は盗まれた記憶の話で、本作のテーマだ。ジョン・ホッジの脚本には驚くべきことが描かれていた。ロザリオ演じる催眠療法士が語る場面だ。彼女はフランクに、人間とは何かを説明す