2月下旬──。 元テニスプレーヤーの土居美咲さんは、1月1日に日本海沿岸を襲った大地震の被災地・能登半島にいた。 17歳でプロ転向した土居さんは、WTAツアー優勝や世界ランク30位などの戦果を上げた15年のプロキャリアに昨年10月、幕を引いたばかり。第二のキャリアを模索中でもあった彼女は、なぜ被災地に足を運び、そこで何を見て、何を思ったのか? 本人に寄稿してもらった。 ※ ※ ※ ※ ※ 小型重機を操縦する土居美咲さん photo by 日本財団HEROsこの記事に関連する写真を見る 現役を引退すると決めた時、私は引退後の生活を思い描けてはいませんでした。 何よりも大事にしていたのは、最後の試合に全力を注ぐこと。最後の試合で最高のパフォーマンスをファンのみなさんに観て頂くこと。セカンドキャリアは引退後に考えればいいや、と思っていました。 しかし、そんななかでも、いろいろなこ