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2015年6月14日のブックマーク (2件)

  • 『ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい』人を育てるということ - HONZ

    書は子を持つすべての親と、教育者にこそ読んでほしい物語である。主人公はジャイコブ・バーネット、この5月に16歳になるアメリカ人の少年だ。ジェイコブ君はただの少年ではない。9歳で大学に入学し、専門は数学と宇宙論。IQは170を超えるという。いわゆる天才少年なのだ。 しかし、このジェイコブ君は何万人に1人の割合で生まれるといわれる、いわゆる知的早熟児ではない。2歳で自閉症と診断され、16歳になったときに自分でひもを結べるようになっていたらラッキーだと専門家が診断するほどの症状だったのだ。 父母はインディアナに住む労働者階級。父親は小売りチェーン店勤務、母親は自宅を託児所にして生計を立てていた。信仰深いアーミッシュのつつましい家庭に授かった最初の赤ちゃんだった。 自閉症と診断されたジェイコブ君は3歳になる前から、州の補助により言語療法セラピー、作業療法士、理学療法士、発達セラピストなどが週に

    『ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい』人を育てるということ - HONZ
  • 『格差の世界経済史』 姓で読み解く階級社会の不都合な真実 - HONZ

    姓を手がかりに、歴史に埋もれたビッグデータを掘り起こした著者は、残酷な現実を突きつける。 基盤的な、または相対的な社会的流動性は、社会学者や経済学者が一般的に考えている水準よりはるかに低い。 つまり、従来考えられていたよりも、わたしたちの人生はその生まれによって決定されており、人の努力や意志で階級の階段を昇るのは従来考えられていたよりも困難だというのだ。時代・地域を問わない低い社会的流動性は、経済格差の大きなチリやペルーだけでなく、社会福祉の充実したスウェーデンなど北欧諸国でも変わることはなく、チャンスの国アメリカとて例外ではない。さらに驚くべきことに、この低い社会的流動性を向上させる政策などないという。北欧に見られる教育の無償化も、あらゆるものを破壊した第二次世界大戦も、人類史上最大規模で知識階級を虐殺した文化大革命でさえも、社会的流動性を向上させることはなかった。上流は上流のまま、下

    『格差の世界経済史』 姓で読み解く階級社会の不都合な真実 - HONZ