国連で働く女性職員をといえば、事務所の中ではパリっとしたキャリアスーツを着てパソコンを猛烈に叩き、難民キャンプや食料調査、医療現場では髪をひっつめにして笑顔で支援にあたる、という絵が思い浮かぶ。キャリアウーマンの頂点、超エリートだと思っていた国連職員。しかし真実の姿はちょっと違っているようだ。 著者の川内有緒は日本の大学を卒業後、アメリカに留学。その後、東京の大手のシンクタンクでリサーチやコンサルティングを専門にしていた。仕事はやりがいがあったが、あまりの忙しさ転職を考え、ネットで探すと国連職員の募集があった。どうやら自分にも勤まりそうだと応募をしたが、それっきりナシのつぶて。すっかり忘れた2年後に「あなたは書類審査を通りました」の通知が来た。なんとパリに面接に来いという。 そこからは怒涛の展開だ。英語とスペイン語は達者だが、フランス語はからっきし。しかし千載一遇のチャンスを逃すまじ、と臨