「最先端脳外科医とタイの瞑想指導者が解き明かす苦しみをなくす脳と心の科学」(本書副題) 近年、瞑想とは何か、瞑想の効果とは何か、などについて医学的・脳科学的・心理学的に解明しようとする試みがなされてきているが、本書もその一環であると考えて良いだろう。ただこの本で特徴的なのは、僧侶と脳外科医の対談がメインとなっていることと、実践的であるということである。 プラユキ・ナラテボーは、日本の大学卒業後タイの大学院に留学し、タイで出家しそのままタイのお寺の副住職になった日本人僧侶であり瞑想指導者である。 篠浦伸禎は、覚醒下手術という患者の意識を保ったまま脳外科手術を行う最先端脳外科医である。 対談ということで、他の書籍とは違った長所と短所がある。長所としては一人で書いたのでは思いつかないであろう発見や発想がある点、短所としては対談ゆえに全体の構成にややまとまりを欠く点が主に挙げられるが、一貫している