人名用漢字の新字旧字のネタを拾うべく、国語審議会報告を眺めていたところ、『新漢字表試案』(昭和52年1月21日国語審議会報告)の「竜(龍)」では、「龍」の1画目が「丨」になっているのに気づいた。人名用漢字の「龍」にも書いたとおり、『常用漢字表』(昭和56年3月23日国語審議会答申)では「龍」の1画目は「一」なので、『新漢字表試案』と『常用漢字表』は、少なくとも「竜(龍)」に関しては同一ではないことになる。 それでは、と、『常用漢字表案』(昭和54年3月30日国語審議会中間答申)を見てみたところ、「龍」の1画目は「一」だった。ちなみに「襲」や「瀧」に関しては、「立」の上の部分はずっと「丨」のままだし、印刷は全て大蔵省印刷局である。つまり、『新漢字表試案』から『常用漢字表案』へと進む2年間で、国語審議会は意図的に「龍」の字体を変更したことになる。 その点を考えると、昨日の文化審議会国語分科会漢