ヤマハは、同社初のインド生産拠点となる新工場(タミル・ナドゥ州)を稼働した。電子楽器やギターを生産し、4月から本格出荷を始める。今後は、同国で盛んな映画産業向けに、業務用音響機器の生産も計画。中田卓也ヤマハ社長は「インドは人口が多く、ヤマハにとっては『次の中国』」と、稼ぎ頭に成長した中国事業に続く有望市場の開拓に挑む。 インドの代表的な弦楽器であるシタールのほか、タンプーラや打楽器のタブラなど、独特な雰囲気を持つ民族楽器の音色が響く―。ヤマハは、インドの民族楽器の音色を搭載したインド専用のポータブルキーボードを、2007年から現地で販売している。3代目となる次期モデルは、春から新工場で生産する計画だ。 新工場は同社初の製販一体工場とした。中田社長は「これまでは現地のニーズをいったん日本に持ち帰っていたが、今後はいち早く期待に応えられる」と自信をみせる。将来は中近東やアフリカへの輸出も視野に