テーマが衝撃的であったため、早速、読んでみましたが、「真相」が明らかになった、とまでは言えないように思いました。 ただ、「新資料」として全文が紹介されている、阿南元陸相が、2・26事件の直後に、陸軍幼年学校(東京)校長として述べた訓話は、いかにも阿南元陸相の人格、人間性、考え方といったことをよく現していると思いました。楠木正成が、自らの意見が採り入れられないからと言って後醍醐天皇の側近を斬ったりせず全力を尽くしたことや、大石内蔵助が不倶戴天の仇である吉良上野介を討ち取る際にも礼を尽くして接し武士道をないがしろにしなかったこと(2・26事件のように昭和天皇の重臣らを見るも無惨に惨殺したりせず)などを例に挙げつつ、帝国陸軍軍人として2・26事件のような事件を起こすようなことがあってはならないことを懇切丁寧に、断固として教え諭していて、これを聞いた幼年学校の生徒が感銘を受けた、ということがよく理