地球最大の肺と言われるアマゾンの熱帯雨林。アマゾンは、地球上に残された最大の原生自然空間だろう。この広大な熱帯林が人工林だと主張したら、それこそ「とんでも本」になってしまうに違いない。だが、「アマゾンの自然生態系のほとんどは、森で暮らす先住民族たちが管理することで人工的に作られたものなのだ」と主張し、物議をかもした男がいる。人類学者、ダレル・ポージー(Darrell Posey・1947~2001)である。ダレルは言う。 「例えば、カヤポ(Kayapo)族は、熱帯林に食用植物や果樹を持ち込むことで森をもっと豊かなものにしている。部族は、近代的な放牧場よりも、よほど熱帯雨林を効率的に使っているのだ」 ダレルは、ケンタッキーの農家に生まれた。ルイジアナ州立大学で昆虫学と農業を学び、同学大学院では、地理学と人類学で修士号を取得する。1979年にはジョージア大学で人類学の学位を得ている。つまり、ち