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6月8日、参議院法務委員会で出入国管理及び難民認定法改正案が採択され、9日の正式採決に向けた準備が整う中、れいわ新選組の山本太郎代表はたった1人で物理的に採決を阻止しようとする必死の行動に出た。この行動は批判を浴び、処分につながるだろう。 しかし、フランスだったらまったく話が違ったはずだ。難民そのものだけでなく、民主主義社会に求められる最低限の良識や透明性をも踏みにじったプロセスに比べれば、山本氏の怒りのデモンストレーションはほぼ罪に値しないからだ。 フランスと日本で大差がある難民受け入れ この3年間の難民をめぐる議論は、日本がいかに世界からかけ離れているかを示している。2022年まで、日本は1117人の難民を認定し、5049人に人道的地位を与えている。一方、フランスこの間、は55万5665人を保護している。 フランスが2022年の9日間で受け入れた難民の数は、日本が40年間に受け入れた難
黒田東彦・日本銀行総裁は6月6日、東京都内で講演し、商品やサービスの値上げが相次いでいることに言及したうえで「日本の家計の値上げ許容度も高まってきている」と述べ、これを持続的な物価上昇を実現するための「重要な変化」と形容した。 これがたいへんな批判を浴びて、8日に黒田総裁が撤回したことは大々的に報じられているとおりである。 しかし、この発言は予定稿どおりの発言であり、黒田総裁による「失言」というのは正確ではなく、純粋に描写が政治的配慮を欠いた、ラフに言えば民意との齟齬があったという事案と言える。 黒田総裁の発言は日銀の政策姿勢に沿ったもの 擁護するわけではないが、発言はこれまでの政策姿勢と何ら矛盾しない。 2013年以降、アベノミクスの名の下でリフレ政策が目指したのは拡張的な財政・金融政策により日本の民間部門(とりわけ家計部門)の粘着的なデフレマインドを払拭し、インフレ期待を底上げしようと
2022年5月15日、アメリカ・カリフォルニア州のキリスト教会で1人死亡、5人が負傷する痛ましい銃撃事件が発生した。実行犯は台湾から移住したデヴィッド・チョウ(David Chou、周文偉)。一見、台湾人同士の抗争に見えなくもない。だが、一部のアメリカメディアは、チョウはアメリカ政府が外交使節団と認定する中国和平統一促進会のメンバーであったことも伝えている。現在、各メディアで伝えられている犯人のバックグラウンドや、中国統一を高らかに訴える「韓粉」について考えたい。 台湾系信者が1人死亡、5人負傷 2022年5月15日、カリフォルニア州オレンジ郡ラグーナウッズの教会では、台湾系の信者らが日曜礼拝した後、アメリカに帰国した牧師を囲んで昼食会を開催していた。そんな和気あいあいとした場に、チョウはやってきた。 警備員風の青い衣服に帽子をかぶって建物に侵入するなり、出入口の扉を持参した鎖で1つずつ縛
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これまで何十年と、金城哲浩さん(66)にとっての最大の心配事は台風や害虫からマンゴーの木々を守ることだった。 だが、それは台湾から300キロメートルほどしか離れていない亜熱帯の小さな島、石垣島にある金城さんの所有地近くに日本政府がミサイル発射装置の配備を決定する前の話だ。 三大経済大国すべてを巻き込む軍事衝突 中国はここ1年、台湾周辺でかつてないほど軍事力を誇示するようになっている。そのため日本では、中国とアメリカという超大国間の紛争に巻き込まれる可能性が一段と危惧されるようになった。 石垣島に配備されるミサイルは防衛目的だ。しかし中国が実際に台湾に侵攻するつもりなのだとすれば、この地対艦・地対空ミサイルは理論上、中国軍艦隊に向けられる可能性がある。つまり石垣島に配備される自衛隊のミサイル部隊は、中国にとってはぜひともたたいておきたい攻撃対象となるわけで、そうなれば金城さんのマンゴー農園も
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日本は112カ国中78位――。近年、さまざまな指標における世界での日本のランキングの低さが話題になるが、ついに「英語力」も下から数えたほうが早くなってしまった。11月16日に発表された、EF英語能力指数(EF EPI)において日本の順位は2020年の55位から大幅にランクダウン。2011年の14位からは急落している。ちなみに、隣国の韓国は34位と日本から背中すら見えない状態だ。 これは単に日本人が、英語が苦手である、ということを意味しているのではない。このランキングが示しているのは、日本の外国人嫌いが加速し、国全体が急ピッチで孤立主義の姿勢を強めつつあることだ。 楽しかった雰囲気が成田空港で一変 外国人にとっても日本はかつてより住みにくい国になっている。特にコロナ禍でその状況は「悪化」している。2021年8月17日、パリ発東京行きのエールフランス航空AF275便に乗っていた人たちもそう強く
20~30代を中心に、オートミールが大流行中だ。きっかけは2020年初め、「手軽に食べられる健康食」、とユーチューバーたちが配信したこと。SNSで情報が拡散して人気が高まり、今年になって、日本ケロッグや旭松食品なども市場に参入している。 以前からシリアルは一定の支持を得、最近はグラノーラが人気になっていたが、今なぜオートミールに注目が集まっているのだろうか。愛用する人たちの声を聞いたところ、単なる健康志向にとどまらず、食文化自体の変化をうかがわせる、3つの要因が浮かび上がってきた。 「米化」で人気に火がついた 「オートミールにハマっている人は、私の周りで多い」と話すのは、23歳の会社員、鈴木胡桃さんだ。 「一番多い食べ方が、水とスープの素やお茶漬けの素を加え、レンチンする方法で、わかめスープの素とごま油を組み合わせる人もいます。癖がある、と気にする友人はカレードリア風にする、キムチチャーハ
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「校則を変えていくのは楽しかったんですけど、結果的に学校がすごく荒れてしまいました。自分の世代はまだしも後輩の代がひどくて、向かいの高校に火炎瓶を投げ込んだりしてました。バイクで校内を走っていた不良に 『先輩のおかげでこの学校はよくなったよ!!』 って言われて、身をもって多数決の恐ろしさを知りました。勢いでルールを変えるととんでもないことになるんだなって……」 生徒会長以外にも応援団長を務め、それなりに目立つし、面白く過ごしていた。 ただ、将来にやりたいことは特になかった。 「とにかく強制されるのが嫌でした。高校にも行きたくなかったですね」 だが、親からは 「あんたのどうしようもない性格はわかっているけど、高校だけは行ってくれ」 と頼まれ、学校からは 「生徒会長が進学しないなんて前代未聞だ」と責められた。 それでしかたなく、推薦で私立高校に進学することにした。 進学校だったので学内に不良は
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被害に遭った子どもたちが、自身の身に起きたことを理解したときのことを思うと、いたたまれない気持ちでいっぱいになる(写真:nixki/iStock) すべての「家族」が仲良く手を取り合って暮らせるわけはない。なかには親子、きょうだい同士で激しく憎しみ合い、争いの末に裁判や事件にまで発展してしまう家族もいる。本連載では傍聴ライターとして長年活動し続ける高橋ユキが、裁判の傍聴を通じてわかった「現代の家族が抱える問題」を紹介します。 ※本記事は、小児の性被害について詳細な記述を含んでおります。 保育の仕事に従事する者が、故意に子どもに危害を加えることは本来あってはならないことだ。多くの保育士やベビーシッターは預かった子の安全に配慮し、保育を行う。だが、自身の欲望を満たすために預かった子どもたちに危害を加えた保育者がいた。 2014年3月、埼玉県富士見市の自宅マンションで、預かっていた横浜市の2歳男
日本の人口減少が大きな問題になっている。その背景にあるのが「出生数」の低下だ。出産期の女性人口が減少し、さらに1人の女性が生涯に産む子どもの数も大きく減少を続けている。 そんな中で、2019年の出生数が90万人を割る可能性が高くなったと報道された。2016年に100万人の大台を下回ってから、わずか3年で90万人を割る事態となっている。 とはいえ、人口減少につながる出生数の低下は、その原因がまだはっきりしていない。近年は日本だけでなく韓国や香港、シンガポール、台湾、タイといったアジア諸国でも、女性が生涯に産む子どもの数を示した「合計特殊出生率」が日本以上に低くなる現象が起きている。 イタリアなどの先進国でも、共通の悩みとして認識されており、2018年には人口の増加を続けてきたアメリカでも出生率の低さが問題になった。 なぜ、女性は子どもを産まなくなってしまったのか――。 フランスのように出生数
東京と大阪をしょっちゅう行き来していると、ときどき別世界のようなギャップを感じることがある。関東と関西は、お互いに向こう側で何が起きているかを意外なくらいに知らないのだ。というよりも、単に関心が乏しいと言った方がいいのかもしれない。 関東と関西、今年は全く逆のことが起きている 例えば関東の人たちは、昨年の関西が①大阪北部地震(6月)~帰宅難民も発生した、②西日本豪雨(7月)~西日本全体で死者が200人を超えた、③台風21号(9月)~関西国際空港が水没してしまった、というトリプルパンチの自然災害を受けたことを、どれだけ記憶しているだろうか。 まじめな話、昨年は6月から9月にかけて鉱工業生産指数が103.0台でペタッと横に寝てしまったのだが、これは災害に伴って西日本のサプライチェーンが麻痺してしまい、立て直しに手間取ったことが主因であったと筆者はみている。が、そういう認識は東日本においては希薄
近年「中年の引きこもり」が話題になっています。先月には30年以上にわたり引きこもっていた56歳の男性が両親の死後に自宅で衰弱死していたことがニュースになりました。また今年5月には川崎市で10年以上引きこもり生活を続けていた50代の男が近所でスクールバスを待っていた児童とその保護者らを次々と刺した後に自殺するという事件が起きました。 これらの事件が起きる少し前、今年3月に内閣府は40歳から64歳の中高年の引きこもりの人数が推計61万人という調査結果を発表したばかりです。彼ら彼女らの半数は、引きこもり期間が「7年以上」でした。 興味深いのは上記の「40歳から64歳の推計61万人」という数が、15歳から39歳の引きこもりの数である推計54万1千人を上回っていることです。これが今の日本ではいわゆる「8050問題」(引きこもりの当事者が50代になり、親が80代になると、収入や介護の面で問題が発生する
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