記者会見するUAWのゲトルフィンガー委員長(右)=米デトロイト市、山川写す 【デトロイト=山川一基、ワシントン=尾形聡彦】全米自動車労組(UAW)は29日、ゼネラル・モーターズ(GM)との労働協約の改定を組合員投票で承認した、と発表した。GMの「事前調整型」の経営破綻(はたん)に向けた条件が、さらに整った。 GMは同日、6月1日に米ニューヨーク市でフレデリック・ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)が記者会見を開くと発表。米連邦破産法11条の適用申請を発表する可能性が高い。 労働協約改定の柱は、UAWが管理する退職者向けの医療基金に対するGMの拠出金の削減。これまで約束していた200億ドル(約1兆9千億円)から半減し、代わりに、基金はGM株の17.5%と、2.5%分の新株引き受け権(ワラント)、25億ドル分の新発社債、65億ドル分の優先株を受け取る。GMに役員を1人送り込む権利も得た。