先月28日で二・二八事件から71年を迎えた。一昨年、花瑛塾は二・二八事件を記念する台北市内の「二二八紀念館」を訪れ、事件について学習を深めるとともに、犠牲者を追悼した。 二・二八事件を扱った映画に『悲情城市』(監督:侯孝賢〈ホウ・シャオシェン〉、1989年)がある。本作は、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞作であるが、日本による台湾統治終了後、国民党施政が開始されるが、国民党施政の腐敗とそれによる人々の混乱そして大規模反国民党運動となった二・二八事件を背景にしながら、ある台湾人一家の悲劇を描き出す内容となっている。 以下、本作のあらすじと時代背景、そして二・二八事件の概要を確認しつつ、台湾における対日感情の変容を念頭におきながら若干の所感と批評を述べたい。また他の台湾映画の紹介などもおこないたい。 ◆ 本作の主な登場人物は、以下の通り。 ※ 林阿禄(李天禄…リー・ティエンルー)―「小上海酒