「もう手遅れかもしれないが、このままでは2025年から2030年にかけて日本企業の8割が崖から転落する」。不気味な見通しを語るのはITコンサルティング企業、アイ・ティ・アール(ITR)の甲元宏明プリンシパル・アナリストである。 その理由はITインフラのクラウド移行が進まず、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の鍵となるクラウドネーティブ・アプリケーションの開発が遅々として進まないこと。「クラウドネーティブ・アーキテクチャーの設計スキルを持つ技術者の育成が急務。現状はせいぜい数千人で国内IT技術者の1%にも満たない」(甲元氏)。 甲元氏の仕事はIT部門のインフラ担当者に向けて、クラウドネーティブ・アーキテクチャーへの道案内をして、挑戦してもらうことだ。「クラウドネーティブの環境が整ってきた。挑まない手はない」(甲元氏)。 しかし「現実を見ると驚くことに大企業の3分の1はマイクロサービ