私の書架に「砂漠と幻想の国 アフガニスタンの仏教」(金岡秀友・菅沼晃・金岡都)という対談本がある。一九七七年の初版だ。ネットの古書店を見ると、まだ入手可能でもあるようだ。内容は標題からわかるが、アフガニスタンの仏教を巡っての話が主軸になっている。アフガニスタンにソ連が侵攻する以前の様子もよくわかって面白い。私がこの本を買ったのは、密教への関心から金岡秀友に関心を持っていたことと(参照)、仏教というのはヘレニズム宗教なのではないかという漠たる思いからだった。 世界がタリバンに関心を持つようになってから、私もアフガニスタンのことが気になり、なんとなく折に触れて読み返すことがある。昨日も自室でぼーっとしながら書架を見ていてこの本に気がつき、また手に取ってみた。 アフガニスタンの仏教といっても、パキスタン領のガンダーラ地方とも関連が深いように現在の国境で区分されるものではない。パキスタン側の地域シ