6434人もの犠牲者を出した阪神大震災が15年の節目を迎えた。倒壊した家屋、傾くビルや高速道路、燃え上がる炎…。歳月を経ても、あの光景がよみがえる。両親や兄弟、子や孫を失った人たちの慰霊の思いは尽きない。 神戸市や阪神間の各都市、淡路島北部の風景は大きく変化した。これまで16兆円を超える復興事業費が投じられ、交通や上下水道などのインフラ、災害復興住宅が完成した。下町の長田区などにも、真新しいビルがそびえている。 神戸市の人口は平成7年1月の約152万人から、今年1月までで約1万7千人増えた。阪神間でも多くは増加に転じている。 ただし産業の復興という点ではまだまだだ。神戸の市税収入は震災前から約255億円も落ち込み、神戸港の総取扱貨物量も震災前の約56%と低迷している。 また、被災者のために建設された災害復興住宅では、震災5年後の平成12年から昨年12月末までの10年間に、630人もの人がい