クールビズ~なぜ28°C?~ 田辺 新一/早稲田大学理工学術院・建築学科教授 暑い夏が今年もやって来た。特に首都圏はヒートアイランド現象もあり、その暑さは熱帯並みである。その中で、2005年から政府主導で地球温暖化対策のため「クールビズ(COOLBIZ)」が行われている。夏の軽装も日本では定着してきた感がある。長年日本を訪れているデンマークの友人もずいぶん変わったねといっている。日本人といえば礼儀正しく、男性は暑くてもどこでもスーツとネクタイという一昔前の姿が印象に残っているからだろう。今でも半袖のシャツは略式なため、服装にうるさい人は、夏の暑い時にでも長袖シャツしか着ない。また、ワイシャツは下着という考えもあり、暑くても上着を脱がないで我慢する人もいる(ご苦労様です)。 何を根拠に決められたのか クールビズにより着衣の軽装化への心理的な抵抗や社会的な壁が取り払われ、一人一人の個人が省エネ