ブックマーク / tnkado.hatenablog.com (88)

  • スピンオフシリーズ 「堕天使 BJ」編 7 - tnkado’s blog

    明け方に降った雷雨で、誤って地上に落ちてしまった 両手にバチを持ち、背中に太鼓を背負った 成人男性の手のひらサイズの 雷神の子ども弐体が、手水舎(ちょうずや)の陰から 物珍しそうに、妙齢の女性を眺めている 三毛がそれに気が付いて、女性に悪さをしないよう 尻尾を立てて威嚇すると,雷神の子どもたちは 短い脚を急速回転させながら あわてて殿の床下に逃げ去った かつて女性と青年は、その神社のイチョウの樹で待ち合せては 誰にも邪魔されない、2人のだけの逢瀬の時を過ごした いつしか女性の身体に、新しい命が宿ると 二人は夫婦として結ばれた 女性は仕事を辞め、内職をしながら 双子の育児や家事に励み、男は一生懸命に働き 決して裕福ではないが、暖かい家庭を育んでいた ある日、男性が吐血した 結核だった 程なくして、男性はこの世から旅立った 女性は涙が枯れるまで泣くと キリッとした顔になり 再び外で働きなが

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  • スピンオフシリーズ 「堕天使 BJ」編 6 - tnkado’s blog

    かつて眷属神だった麝香鹿(ジャコウジカ) 今はBJと名乗る堕天使は 塒(ねぐら)とした神社の 石造鳥居の上で寝ていた 五月闇に雨がしとしと降り出し 紫陽花の葉を揺らすと 蝸牛(かたつむり)が目覚め 滴(しずく)で濡れた葉の上を 這い始めた 遠くで稲光が走り、しばらくすると 息苦しいほどの雨になったが 夜が明ける頃には止んだ 梅雨の晴れ間の穏やかな日 神社の境内には 夏の前の淡い陽射しが差し込んで 樹々の鮮やかな新緑を より一層際立たせた 朽ちた神社であったが、時々訪問者があった 木漏れ日の中を、日傘をさしながら 境内に向かって歩いてくる 鮮やかなローケツ染めの単衣(ひとえ)に すくいの帯は、まるで水しぶきを浴びるような 涼やかな装いの、その妙齢の女性には 朽ちたこの神社は場違いなようだった 女性はイチョウの大木に、薬指に指をはめた 左手を添えると、目を閉じて想いを過去に馳せていた 既にこの

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  • もし今、貴方がしばらくは止みそうにない、雨降る人生の時を歩いているなら - tnkado’s blog

    辛気臭い梅雨の時期が近づいてきた 朝窓を開けて、曇天模様を眺めると 何だかココロが腐ってくるような気がする 湿った空気が肌にまとわりつくので せめてもの気分転換にと 長袖から半袖に衣替えしてみた 緊急事態宣言の解除により 各種対策を施しながらとなるので 以前と全く同じとはいかないけれども 学校が始まり、会社勤務も通常に近づく 久しぶりの再会を喜ぶ人がいる一方で 学校や会社で「いじめ」に遭っている当事者は 心痛だろうと思う もし今、貴方がしばらくは止みそうにない 雨降る人生の時を歩いているなら 気休めにもならないが 歌の文句を真似て 太陽に向かって 「寝ていないで仕事しろ」と云っみよう 天気予報はハズれることもある 一日中雨の予報でも、雨が止んだり 晴れ間がのぞいたりすることもある 明日、どんな人生が待ち受けているのか わからないもんさ

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  • 毒親 - tnkado’s blog

    勤め人をしていた頃 上司を社有車の助手席に乗せ走行中 突然「センターラインギリギリまで寄って 最徐行まですぐに減速しろ」と 上司が大声で言い放った 私は驚きながらも、その言葉に従った Sは地元では有名な「当たり屋」だ カーラジオの操作等で わき見をしている運転手を物色して 飛び出す ダンプの前に飛び出した時は 瀕死の重体になったそうで その教訓で、今では大型車は避けている 私が初めてSを教えてもらった時には 過去の事故で負ったケガにより 片脚を引きずるように、小学生の 子ども2人を連れて歩いていた 奥さんは、かなり以前に 子どもを置いて出て行ったそうだ 子どもは、男の子と女の子 今はS自身ではなく、「子ども」に 「当たり屋」をやらせている と、地元では有名な周知の事実で S親子を見たら、「最徐行」が原則だった 数年後にS親子を見かけて時に 男の子が「片脚を引きずって」歩いていた その数年後

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  • 新しい仕事に就くときには、これまでの自分を変えなくていけないことも、多分にある 後編 - tnkado’s blog

    さらに「俺の指示で操作するんだよ」 「わかった!」と 一喝され、会社名と名前を聞かれた 急ぎの用件があり、順番待ちの人も数名いたので 「はい、はい」と受け流した 私の後ろで順番待ちしていた方々に対しても その新人警備員は、腕組みしたままの仁王立ちで 「はい、じゃあ次の人!」と言い放ち 各自に操作をさせて、自らは突っ立ってそれを見ていた タワーパーキングの利用者側は テントビル入居の会社のみ(政府系金融機関 銀行関係、保険会社等)で、多くても30名程度 警備員側は6~7名のローテーション勤務 数カ月も利用していると、利用者側の顔・会社名を 自然と覚えてくれるし 利用者側も警備員の顔は覚えてしまう 所用が済んで、タワーパーキングから出庫する際 一番の古株警備員さんがいて 私の顔を見ると小走りで近づいてきて 帽子を取り 「tnkadoさん、さっきは、新任が失礼な態度をしたようで すみませんでした

    新しい仕事に就くときには、これまでの自分を変えなくていけないことも、多分にある 後編 - tnkado’s blog
  • 新しい仕事に就くときには、これまでの自分を変えなくていけないことも、多分にある 前編 - tnkado’s blog

  • もしかしたら、‘’あなた‘’もお仲間ですか? - tnkado’s blog

    長期の自粛生活で アソコが成長してしまった これを読んでアソコがどこか? すぐに察した‘’あなた‘’は もしかしたら、お仲間ですか? 新型コロナウイルスの影響なので 回避することが困難な 致し方無いことだと 自分では思っていた が、 家人からは 「ふざけんな! 腹回りのゼイ肉8割削減しろ」 と指令が出ちまった オーマイガー!

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    masanodiet
    masanodiet 2020/05/22
    こんにちは。いつもたくさんの☆を有難うございます。お仲間です^^(苦笑)
  • スピンオフシリーズ 「堕天使 BJ」編 5 - tnkado’s blog

    小さな町に1つだけある中学校の 校門を左に出て 急な下り坂を降りると橋がある そこから橋を渡らずに、川沿いを左に進む 周囲の田圃には、植えられたばかりの 青々とした稲が整列し 鳥たちが田圃に張られた ぬるい水の中に降り立っては 土中の虫を探しては、ついばんでいる 川沿いをしばらく進み 3つ目の橋の右手に、神社がある 石造りの鳥居が 神社の古さを物語っている 鳥居をくぐり、急な石段を登りきると 大きなイチョウの樹が両脇に立っている 乾いた五月の風が 境内の榊(さかき)を揺らした かつて眷属神だった麝香鹿(ジャコウジカ) 今はBJと名乗る堕天使が その鳥居の上に舞い降りた まずは、その神社の境内を隅々まで調べ 周囲も同様に調べ上げて 眷属神が管理していないことを確認して そこを自分の塒(ねぐら)にすることを決めた頃 少し遠くで稲光が走り 雨風の匂いがした 梅雨が神様がそこまで来ていて その背中

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  • 働くということ(派遣切りの危機) - tnkado’s blog

    4月の朝の駅前で スマホの画面を見ながら キョロキョロしている方を 複数見かけた 新型コロナウイルスの影響で パート・アルバイト先が長期休業になり 少しでも収入減少を補おうと 派遣会社へ登録を行い 物流センター等で 短期就労する方が増え 駅前には、複数社の 送迎用バスやワゴン車がいるので 自分の乗る車両を間違えないよう 確認している 派遣初出勤日の風景なのだろう ネットのニュースで 派遣就労人口144万人 そのうち、雇用期間限定での就労者が7割強 さらに、そのうち1カ月以上~3カ月以下の 期間契約で働く方が39万人 契約更新しない場合、30日前までに 通知を行う必要があり 4月からの契約開始が多いので 5月末に大量の「雇止め」問題が 生じる可能性が高いのではないか? という概要があった 「働く意思」があっても 「雇用の場が無い」 新型コロナウイルス対策は 同時進行で対応しなければならない

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  • 「答えさがし」と「自分探し」 - tnkado’s blog

    「生きる理由(何のために生きるのか)」とは? 思うに 「正しい答えを導き出すことが困難な問いかけ」であり 「自分で答えをさがして、無理に答えを出す必要は無く」 「生きる理由」とは 「他人が君を必要と思ってくれる一瞬があれば それでいいのじゃねえか」と考える 例えば、君が通退勤途上のマイカーの中で 好きな音楽を聴いて その時間に何か感じ得るものがあれば その聴いている音楽を作った人は 君にとっては とても必要な存在であることのようなもの つまり、その音楽を作った人は 「どこかで聴いてくれる誰かに 作った音楽を通じて 時には元気づけて 時には悲しみを癒して 時には懐かしい昔に思いを馳せさせて 時には輝かしい未来を想い描かせてくれるように 何かを与えてれる」 言い換えれば その音楽を作った人は 「どこかの誰かに 自分では意図していなくても 何かを与えるために 存在(生きている)している」 生きて

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  • 「何で、自分で選択して死ぬことは悪いことなのか?」 - tnkado’s blog

    社会人になってから 2回、自死の第一発見者になった 1回目は2月7日に投稿した通り ※仮名です。また状況は若干加工してあります 2回目は 未だ気持ちの整理が出来ずにいて 書けそうにない 先週、知人から 「何で、自分で選択して死ぬことは悪いことなのか?」 という主旨の質問をされ 即答できなかった 今も答えを考えているが 見つからない 残された近親者の 消えない悲しみを 考えて欲しい 今は、その言葉しか思い浮かばない すまん

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  • 「たまご」を焼いてみた - tnkado’s blog

    家人は、私の作った料理べない 老親は、倅(せがれ)が作ったので 仕方なく箸をつける それが現実です

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  • 「一寸の虫」と「五月闇」 - tnkado’s blog

    タイトルを読んで おっ!「鬼平犯科帳」と 見抜いた貴方は 池波正太郎ファンですね 鬼平犯科帳(作者急逝のため未完) 全135作の中で どれが一番の好みか?と問われれば 「一寸の虫」か「五月闇」で悩んで 「一寸の虫」を選びます 原作を読んだ場合と、TVドラマを観た場合の 感想は異なりますが 時代小説を読まない方へは スペシャル ドラマ版(95分)を オススメいたします 時代劇専門チャンネルで 直近では 2020年5月16日と 6月20日に放映予定です 仁三郎(寺脇康文さん)の最後に 泣けると思います(たぶん・・・) 若村麻由美さんと、原田龍二さんが 演じる夫婦の最後も 泣けちゃいます(たぶんね)

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  • 「雲助」と呼ばれる仕事を、副業でしています 後編 - tnkado’s blog

  • 「雲助」と呼ばれる仕事を、副業でしています 前編 - tnkado’s blog

    固定給の勤め人をしていたが、 10年目に歩合制の業界へ転職した が、転職して4カ月後には金融自由化という 予想だにしていない事態になり 数年後には、暫定的ではあったが 副業をしながら糊口をしのいだ さらに月日が経ち 暫定的な副業は定期的になった 公的年金制度も、受給年齢が変わり 将来を考え、今年(2020年)の2月下旬に 新しい事業を開始した ところがすっとこどっこい 新型コロナウイルス騒動で 現時点で、見積の依頼さえ1件も来ない ただ、かろうじて幸いだったのは 新規事業に投入した資金は 借入ではなく自己資金だったこと 新規事業がある程度軌道に乗ったら 今の副業を辞めようと思っていたが どうやら当分は 現状維持になりそうだ 副業は、モノではなく 「ひと」を運ぶ方の運転手 第三者が発言すると 侮辱することになるかもしれないが やっている人自ら述べるのは 問題無いと考えるので あえて「雲助(

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  • 五月のキウイフルーツ - tnkado’s blog

    例年、収穫は霜月 世の中には、物アレルギーで べれない方も多数いらっしゃいますが・・・

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  • スピンオフシリーズ 「堕天使 BJ」編 1 - tnkado’s blog

    には八百万の神々がいて 人間の願い事全般に対応する神も少数いるが 多くの神々は、それぞれ得意分野を持ち 例えば、恋愛成就、学業成就、商売繁盛 縁切り等、専門化している 人間の欲は膨大かつ無限大であるので 八百万の神だけでは手が回らず 眷属(けんぞく)神と呼ばれる 神の使いがたくさんいる 眷属神は、それぞれが仕える神様の元で 毎日昼夜を問わず働く でも、最近は「働き方改革」のおかげで 残業が減り、休日も少し増えた 神様も、部下を休ませないと BG(ブラック ゴッド)と陰口をたたかれるので 眷属神の管理に苦労している 稀に、長時間勤務や待遇に嫌気がさし 使える神に反逆して天上界から追放され 地上に墜ちる眷属神や 神との話し合いにより 円満に転職する眷属神がいる 眷属神の中で有名なのは 「天使」と呼ばれる一族で 地上に墜ちた天使を「堕天使」というが 業界用語ではBE(ブラックエンジェル)と呼

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  • 「土曜日の夜」と「カルビ焼肉定食(大盛)」 - tnkado’s blog

    高校時代の同級だったF(男性)は 幼い頃に病気で父親を亡くし 3歳違いの弟と、母子家庭で育った 当時の高校はアルバイト禁止で 発覚すると停学処分以上だった でも、Fは家計を助けるために 2つ隣の駅前にある焼肉屋で ふだんは金曜と土曜の夜にコッソリ 夏休みなんかは、ほぼ毎日のように アルバイトをしていた アルバイト料から弟に小遣いを与え 自分は我慢して、残りは母親に全額渡していた Fは痩身で駆け足が速く、化学と美術が得意で 女生徒に人気があり 肥満系で運動音痴、理系が苦手で 絵が下手で、女生徒からは 敬遠されていた私とは真逆だった でも何故か気が合った 卒業式が終わった後の、ある土曜の夜に その焼肉屋で「カルビ焼肉定(大盛)」と ビールで2人で祝杯を挙げた (未成年だったけれども・・・) Fは、心では進学を希望していたが 家庭の都合で、就職して工場で働いた 3交代勤務、24時間稼働の工場

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  • かしわ餅 - tnkado’s blog

    淡い緑色が 鮮やかに映える季節が やって来た 風が新葉を揺らすと 陽射しが漏れ 庭先の鯉のぼりは 元気よく泳ぎ 微かに 初夏の薫りがした 明日は天候が崩れ 雨になるらしい そう云えば 「五月雨は緑色・・・」 という、歌いだしの曲が 好きだった YouTubeで 聴いていたら 何故だか急に 「かしわ」が べたくなった もちろん 「粒あん派」です

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  • 「あれが最後の時だったんだ」と悔やむのはいつも後のこと  その2 後編 - tnkado’s blog

    Bさんには、トラブルが生じることが ほとんど無い事案を担当していただき 基的なことを説明しただけで 後は、その都度質問してください・・・という 何とも大雑把な教え方をした 音を云えば、2名減でスタートした為 丁寧な教え方をしている余裕が無かった 半年後の翌春に中途採用があり 1名増員となった Bさんは、私生活では婚約者との ゴールインに向けて 挙式や、マイホーム計画に忙しく 頭の回転が速かったので、仕事では 半年も経過する頃には複雑な事案も 徐々に担当してもらうようになり 難解化した場合に、もっぱら私に担当変更するか 課長が介入援助していた で、中途採用者の指導はBさんが行う事になった わずかな夏季賞与が支給された金曜日 17時を迎える少し前に 専用回線の電話が鳴り、私が応答すると 都内へ中途採用者を伴って外出したBさんで 道路渋滞で、帰社18時30~19時位の見込みを 伝える公衆電話

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