＜Ｊ１：横浜４－０甲府＞◇第１２節◇２１日◇日産ス 横浜が新加入のＭＦ谷口博之（２５）の今季初ゴールなどで甲府に完勝し、ホーム２連勝で暫定２位に浮上した。横浜の下部組織育ちながら川崎Ｆでプロとなった谷口にとっては、８年越しの夢舞台でのゴールとなった。昨季は川崎Ｆで出場機会に恵まれず復活を期す男が“初恋”のチーム横浜の７年ぶりの優勝に向けて駆け回る。 スポットライトを浴びるように日の光を受け、両手を広げてゴールの味をかみしめた。憧れたトリコロールのユニホームを着た谷口が、少年時代から夢を描いてきた舞台で歓喜に浸った。前半１１分、ＭＦ中村のＣＫに、ニアサイドで跳んだ。頭にピシャリ。「ボールが良かった。（中沢）佑二さん、（栗原）勇蔵君に相手がつられたし、全員で取った得点です」。ただ、仲間に感謝した。 横浜は“初恋”の相手だった。下部組織で育ったが、トップチーム昇格はならなかった。高校卒業の０４年

横浜が「変則３トップ」で連敗を阻止する。１９日、横浜市内のマリノスタウンで行われた、甲府戦（２１日、日産ス）へ向けた紅白戦で、ＦＷ大黒将志（３１）、渡辺千真（２４）のすぐ下に、ボランチのＭＦ谷口博之（２５）を配する新布陣をとった。 ここ２戦、先制を許し、苦しい展開を強いられている木村和司（５２）監督は「タニ（谷口）が前線にいてボールを取れればチャンスになるし、奪われても切り替えが早いから、あそこからすぐにディフェンスができる」と期待した。福岡戦は逆転したが、前節広島戦は今季初の敗戦。指揮官は「タニの姿を近くで見て、大黒や（渡辺）千真も守備の意識が高まるだろう」と谷口に守備の“先生役”を期待する。 谷口には“先制役”も期待。「監督には自由にやれと言われている。攻撃も守備も前からできれば効果的。アシストだけじゃなく点を取りたいよね」と自覚も十分だ。紅白戦ではＭＦ中村俊輔（３２）の折り返しを受け

故郷への凱旋（がいせん）前に、横浜の木村和司監督（５２）が髪を整えた。次節はアウェー広島戦。生まれ育った県での無敗対決を翌日に控えた１３日、短く切った髪に、白髪を「地味に染めた」黒髪でクラブハウスに登場した。 １年以上ぶりに染めた頭をなでながら、「ぼかしたのよ。サッカーと一緒。うちのチームも『守備的』とか『攻撃的』とか言われながら、（スタイルを）ぼかしているでしょ」と上機嫌に笑った。 チームは開幕から５戦で３勝２分け。勝ち点１１の２位につける。「このまま負けないでずっといきたいね。優勝するのが目標なんでね」と高みをみつめた。

横浜のＤＦ小林祐三（２５）が１１日の練習後、勢いよくまくしたてた。「今日、朝、クラブハウスに来たら大変だったんですよ」。ロッカー室が、なにやら写真だらけ。写っていたのは「アムロ・レイのコスプレした僕ですよ」。サッカー界１の「ガンダム好き」で知られる小林。『機動戦士ガンダム』の主人公であるアムロ・レイの青い制服を着た自分の写真が至る所に張られていた。 「全部はがすのに３０分くらいかかりましたよ。終わったと思ったら、自分のロッカーのスパイクの中にまで張ってあって」と興奮気味に振り返った。犯人は「１人しかいませんね」。静岡学園高の１年後輩でもあるＭＦ狩野。今季新加入した先輩への、過激ないたずらだった。 もっとも、そのいたずらに笑いが起こるなど、チームの雰囲気が明るいのは好調の証し。開幕から５戦で３勝２分けの勝ち点１１で２位につける。この日も雨の中で練習を行い、１４日のアウェー広島戦に備えていた。

異例のＶ宣言だった。横浜ＤＦ中沢佑二（３３）が８日、東日本大震災で津波被害を受けた宮城・七ケ浜町を訪れ、サッカー教室を開いた。帰り際、ミニゲームなどで触れ合った１５０人の小中学生の前で「マリノスは今年優勝しますので、よろしくお願いします」と声高に言った。Ｗ杯を２度経験し、勝負の厳しさを知る男が、シーズン序盤に優勝を約束した。 七ケ浜町に来たのは「タレント、スポーツ選手が行っていなくて、多くの方が避難しているところと考えて」。同町内のグラウンドは仮設住宅用地などになっており、サッカーをする場所がない。この日は、遺失物が保管されているグラウンドを特別に開放した。そこに日本サッカー界を代表する選手が来たとあって、子どもたちは大喜びだった。同町の斎藤颯良（そら）君（１０）は「（優勝宣言に）びっくりしたけど、頑張ってほしい」と、マリノスファンではないものの、中沢の決意をしっかりと受け止めた。 横浜は

＜Ｊ１：横浜２－０浦和＞◇第９節◇３日◇埼玉 敵地での快勝に木村和司監督（５２）が幾度もうなずいた。「狙い通り」「大きな自信になる」。試合後の会見で納得の言葉を並べた。 浦和が前節、０－１で敗戦した仙台戦で攻撃に苦しんだことを受け「仙台のイメージがあった。しっかりと守備ブロックを作って、外からだったら中をマークしていれば問題ないと思っていた」と説明。その狙い通りに前半を０－０で折り返し「後半、疲れたときに仕掛ける。セットプレーも手だと思っていた」というもくろみ通りに、後半２５分にＦＫから先制点を奪った。 これで開幕から４戦無敗。「これから攻撃にバリエーションが増えれば、もっと良いサッカーになる」と大きな手応えをつかむ敵地での勝利だった。

＜Ｊ１：横浜２－０浦和＞◇第９節◇３日◇埼玉 横浜は、今季負けなしの２勝目を飾った。開幕から４戦連続でフル出場中のＤＦ小林祐三（２５）は１対１の強さを発揮し、固い守備で完封勝利に貢献した。後半１５分には、右サイドからゴール前へ絶妙なクロスを供給。ＭＦ谷口博之（２５）が合わせるが、惜しくも枠を外れた。小林は「狙い通りでした。守備に力を割きすぎて攻めが雑になってしまいましたが、後半はよくなった」と、手応えをつかんだ様子だった。

仙台のＭＦ関口訓充（２５）がマネジメント会社「ボランチ」と契約したことが２日、明らかになった。関口が同種の事務所に所属するのは初めて。競技、クラブ契約交渉以外の情報発信面を同社とともに強化していく。３月１１日に起きた東日本大震災もマネジメント契約する大きな要因となった。全国から注目を集めるようになった関口が、今後のさらなる情報発信で東北に元気を送り込みたい考えだ。 関口が大震災と将来を考え、マネジメント会社との契約を決断した。イタリア・セリエＡのカターニアＦＷ森本や、中国Ｃリーグ深■（しんせん）の元日本代表ＦＷ巻が所属する「ボランチ」という会社だ。Ｗ杯出場経験者と同じ事務所で、自身も飛躍の準備をする。 最大の理由は震災だった。被災地チームとして全国から注目が集まった。その中でも昨年１０月、日本代表に初選出された関口に多くの報道陣が集まった。リーグ戦前の練習や試合本番では当然注目される。だが

引きこもって守るつもりはない。横浜の木村和司監督（５２）は、完勝した鹿島戦で見せた守備重視のサッカーは、あくまで今季の戦術の１つととらえており、１日の練習後、浦和戦について「ウチはいろいろなことができるから」と不敵に笑った。 確かにチームの持ち味は“堅守”だ。中沢佑二（３３）栗原勇蔵（２７）という日本を代表するＤＦがセンターバックに入る最終ラインは、Ｊリーグでも屈指の守備力を誇る。今季も開幕から３試合で、失点はＰＫによる２点のみ。流れの中で失った点はない。木村監督も「２点取ったら（絶対に）勝てる」と守備陣に絶大な信頼を寄せている。 試合巧者の鹿島に対しては強い警戒感から守備的な試合運びを選択したが、木村監督が目指しているのは攻撃サッカー。浦和戦に向けては「ウチは前から行くこともできるしのぅ」と選択肢の幅広さを示唆。“籠城”するつもりなどなく、素早い攻守の切りかえで勝ち点３を奪い取るつもりだ

＜Ｊ１：横浜１－１清水＞◇第８節◇２９日◇日産ス ＤＦ中沢がベテランらしく、緊急事態にも柔軟に対応した。１点リードされて迎えた後半３６分から、３バックの中央に入った。チームは従来、ＤＦラインは４バックの布陣を基本にしてきた。この日はＤＦ栗原が負傷交代となり、木村監督が３バックを選択した。中沢は、ＤＦ小林、ＭＦ谷口を統率しながら、システム変更後は無得点に抑えきった。「負けなくて良かった。（３バックの）組み合わせは、これから考えた方がいいかも知れない」と振り返った。

＜Ｊ１：横浜１－１清水＞◇第８節◇２９日◇日産ス 横浜は、木村和司監督（５２）の采配が的中したが、逆転勝ちは逃した。ホーム開幕戦は「プラン通りに進んでいた」という後半３５分にＰＫから失点した。直後に１９３センチの韓国人ＤＦキムをＦＷに投入。システムを４－４－２から３－４－３に変更して同４１分にＭＦ兵藤の今季２得点目で同点とした。同ロスタイムにはＭＦ中村の約３０メートルのＦＫが直接バーに当たる場面もあった。戦略通りだっただけに同監督は「ＰＫの判定基準が分からん」と怒りをみせた。

２戦連発なら「後転」パフォーマンス！？ 横浜の日本代表ＤＦ栗原勇蔵（２７）は２８日、翌日に控えるホーム開幕戦の清水戦について「次も決められたら、バック宙やりますよ…。後転になっちゃうかもしれないけど」と冗談交じりに、ゴール後のパフォーマンス案を明かした。 リーグ再開となった２３日のアウェー鹿島戦では、後半３１分に２点目を決め、３－０の勝利に貢献。「でも、前にバック宙やったときは頭から落ちて大変だったんだよな～」と照れ笑いを浮かべながらも、ゴールへの意欲満々だった。

＜Ｊ１：横浜３－０鹿島＞◇第７節◇２３日◇国立 日本代表ＤＦ栗原勇蔵（２７）の２点に絡む活躍で、横浜が昨年２戦２敗の難敵を撃破した。試合前、鹿島のサポーター席に全員であいさつに向かった。多くのファンが被災したサポーター席に、クラブとして思いを届けたかった。そこでもらったのが大拍手。栗原は「すごくジーンと来た。スポーツっていいな」と感激した。感謝の気持ちを体現するように、雨のピッチで躍動。後半３１分にＣＫのこぼれ球を豪快に右足で蹴り込み、試合を決定付ける２点目を奪った。同ロスタイムにもゴール前まで駆け上がり、オウンゴールを誘発した。 先月の震災発生直後、真っ先に電話したのが、仙台ＦＷ関口だった。日本代表で知り合った親友。連絡がついたのは翌日で、小学校に避難しているのを確認し、「生きていて本当に良かった」と安堵（あんど）した。その後、クラブが被災した関口は関東に練習場所を移しながら、練習に励ん

＜Ｊ１：横浜３－０鹿島＞◇第７節◇２３日◇国立 横浜が雨中の戦いを制した。前半３分にＭＦ小椋祥平（２５）のミドルシュートで先制すると、守備ラインを低めにしてゴールに鍵をかけた。後半３１分にＣＫのこぼれ球をＤＦ栗原勇蔵（２７）が右足でけりこみ追加点。同ロスタイムにもオウンゴールを誘い、３点差で完勝した。木村和司監督（５２）は「勝ちにこだわり、なりふり構わず、したたかに戦ってくれた」と納得顔。後半１５分には１９３センチの韓国人ＤＦキムをＦＷに投入。逃げ切り用に練習で確かめていたパワープレー中心のオプションを的中させた。

横浜の木村和司監督（５２）とＤＦ中沢佑二（３３）が口をそろえて、２３日の鹿島戦の要注意人物にＭＦ野沢拓也（２９）を挙げた。２１日の練習前のミーティングで鹿島の映像を分析した木村監督が「野沢がいいところに出てくる回数が多い」と言えば、中沢も「やっぱり野沢でしょ。サッカーを知っている。両足のミドルシュートも良い」と警戒。巧みなボールさばきをみせるテクニシャンを封じることが、勝利につながると読んだ。

午前１１時１９分、横浜市内のマリノスタウンで行われた横浜－東京Ｖ戦の練習試合中、震度３の地震が発生。試合後、横浜ＤＦ中沢佑二（３３）は「全く気が付かなかった。主審でも無理だと思う。スタジアムに来てくれるサポーターや観客にもはっきり分かるマニュアルを配るなど徹底が必要」と提言。Ｊ再開へ向け、余震が続く現状のリスク管理に警鐘を鳴らした。東京ＶのＤＦ富沢も「ファンが不安に思わないことが第一」と話した。 ピッチ上のベンチに座っていた横浜木村和司監督（５２）が「誰かが揺らしてふざけているのかと思った」と振り返るほど、大きな横揺れが約１分間続いた。観戦していた約１０００人のサポーターは地震警報を告げるメールに一瞬静まり、揺れにざわついた。それでも主審、選手たちは誰１人気付かずプレーは続行された。 横浜は２９日の清水戦へ向け、日産スタジアムでの緊急時対応のマニュアルを作成。揺れを感知した場合は第４審判が

横浜の木村和司監督（５２）が、リーグ再開初戦となる鹿島戦で、被災地に元気を届けるプレーを選手に期待している。チームは１３日に横浜市内で全体練習を行った。鹿島は被災したクラブの１つ。木村監督は「ワシらがまず元気なところを見せないといけない。サッカーを一生懸命やることで（鹿島から）見に来てくれた人たちに何かが伝わると思う」。練習前のミーティングでは、被災地への継続的な支援方法を選手、スタッフみんなで考えることを確認し合った。

Ｕ－２２（２２歳以下）日本代表のＭＦ水沼宏太（２１＝栃木）が、チームの一体感に手応えをみせた。同代表は１２日、兵庫県内で行っている短期合宿の２日目を終了。１３日に最終日を迎える２泊３日の日程だが、水沼は「ホテルでも、いろいろな部屋に、いろいろな選手が出入りしているんですよ。仲良くできてるんじゃないかな」と分析した。 ２年前のＵ－２０日本代表のメンバーよりも最大で４歳差と、年齢的には多岐にわたっているが「チームになってきているんじゃないかな」とムードの良さを強調。この日の紅白戦でも、ピッチには選手たちの明るい声が響いていた。

横浜ＤＦ中沢佑二（３３）が１０日、東日本大震災で被害を受けた人の避難所を訪問した。福島・広野町などから埼玉・三郷市瑞沼市民センターに避難している子どもたちを対象に、サッカーで交流をはかった。「楽しく走り回って汗をかきましょう」の呼び掛けに、約３０人が参加した。 父母らも「地震や津波の恐怖もまだ抜けていないし、１カ月ぶりに子どもの楽しそうな姿が見られました」と感謝。タオルマフラーのプレゼントには「宝物になった」と子どもたちも喜びの表情に満ちていた。 中沢は、同会場で地元ボランティアが開催したお花見にも緊急参加。お年寄りからも「テレビで見てる人が来てくれて本当にうれしい」と声をかけられていた。

Ｊ１横浜が甲府との練習試合を３－０で勝利した。４５分×４本の変則で、２本目と３本目にＦＷ小野裕二（１８）が４本目にはユース所属のＭＦ鈴木雄斗（１７）が決めた。ＭＦ中村俊輔（３２）を中央に配置する中盤の組み合わせ。中村は「試してミスしたところはあるが、良かった部分が大きい」と話した。ＭＦ兵藤慎剛（２５）、小椋祥平（２５）、長谷川アーリアジャスール（２２）を同時起用した木村和司監督（５２）も「組み合わせを試したかった。良かったんじゃない」と話した。