北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄である金正男氏がマレーシアの空港で殺害された。北朝鮮の関与は間違いないだろうが、具体的な犯行について確認されたことは少なく、捜査は難航必至だ。乱れ飛ぶ情報の多くは推測やあやふやな情報に基づくものであることに注意しなければならない。一方で、事件を見ていて私は一つの感想を抱いた。「事件がこれほど大きな国際的波紋を生むなどと北朝鮮は予想していなかったのではないだろうか」というものである。「まさか」と思う人が多いかもしれないが、実は、専門家にぶつけると「同感だ」という答えが返ってくることが少なくないのである。 現地警察は、実行犯とされるベトナム人とインドネシア人の女、マレーシア在住の北朝鮮国籍の男らを逮捕した。さらに北朝鮮国籍の男4人を容疑者として特定したが、この4人は事件当日に出国して平壌に戻ったという。警察はさらに北朝鮮国籍の人物3人が事件に関与している