サツマイモを蒸して実家の仏壇に持っていく。 同居していた父方の祖母の大好物だった。 中学生から一緒に暮らしたが、明治生まれの厳しい人だった。 厳しく、賢く、負けず嫌いで学歴主義で地位と名誉のある人が大好きな、不器用な人だった。 父を父の姉を、名門校に入学させた賢母だったが、父は大人になっても 「絶対許さない」と言っていた。 父には父の葛藤があったのだろう。 名門校に入れた息子の最後の仕上げに両家の子女を嫁に迎えるべく見合い話を探していたところに、父が母との結婚を決めた。 これ以上自分の人生を乗っ取られてたまるかと思ったのだろう。反抗心もあったのかもしれない。 こう思いを巡らしてみると緩く、私と母との関係と被る。 高卒で嫁いできた母に辛く当たり、当たられた母は認められようと子供の学歴に熱を入れる。上の子はぐんぐん伸びて御三家に入れたが下の娘は身体は弱く、頭もさえない。なんとか引っ張り上げよう