2009年7月15日のブックマーク (1件)

  • ラジオ体操から帰ってきた弟が、俯き消沈した様子で背後に立っていた。 胸..

    ラジオ体操から帰ってきた弟が、俯き消沈した様子で背後に立っていた。 胸の前で大事そうに包まれた両手に気が付いて、少なからずの驚きを覚えていた私はどうしたのか訊ねてみた。 「玄関におった」 言って、開かれた手のひらの中には、ぐったりとした様子で硬直したすずめの亡骸が横たわっていた。 「姉ちゃん、どうしたらいい? どうしたらこの子助けられる?」 今年小学校に入ったばかりの弟。垂れ下がった目尻からは、今にも涙が溢れそうだった。 できることなら、なんとかしてやりたい。 けれど、もう一度すずめに目を向けた私には、否応がなしに分かってしまった。 小さな両手に包まれた命は、もうどこかへ飛び立ってしまっている。 聖職者でもなければ魔術師でもなく、奇跡など産まれてこの方一度も遭遇したことのないごく普通の高校生に過ぎない私には、掛けてあげる言葉さえ見つからなかった。 「なあ、姉ちゃん。さっきまで動いとったんよ

    ラジオ体操から帰ってきた弟が、俯き消沈した様子で背後に立っていた。 胸..
    masuda_oyuriokok
    masuda_oyuriokok 2009/07/15
    最期に埋葬してくれる人に出会えた雀は幸せモノだったと思います。