いわゆる「シルバー民主主義」の克服をテーマにした連載「さらば『老害』ニッポン」。 今回は、増え続ける医療費の問題にスポットを当てる。高齢化が医療費拡大に拍車をかけ、それが社会保障制度の「高齢者優遇」を招いているとの批判がある。こうした状況について、医療政策学・医療経済学の若手論客、津川友介氏に話を聞いた。 津川氏は教育経済学者・中室牧子氏との共著『「原因と結果」の経済学』(ダイヤモンド社)などで、エビデンス・ベース(科学的根拠)に基づく政策立案を提言している (聞き手 大竹 剛) まず、お聞きしたいのが、若者が選挙に行かず、高齢者の意見が政治に反映されやすい、いわゆる「シルバー民主主義」は、米国でも見られる現象なのでしょうか。 津川友介氏(以下、津川):私はシルバー民主主義の専門家ではありませんが、米国でも若者より高齢者の方が選挙に行くという状況は同じで、日本特有のことではないと思います。