朝鮮学校への支援を求める各弁護士会の声明に大量の懲戒請求が届いている問題。請求文書のひな型が掲載されるなどインターネットが引き金になっており、ネット上では声明を「利敵行為」「犯罪行為」と非難するなど排他的な空気がうかがえる。 「声明は明らかに紛争当事国への利敵行為」。あるサイトでは朝鮮学校への補助金は北朝鮮を利するとの主張を記し、賛同を求める書き込みもある。懲戒請求書のひな型には弁護士名などをあらかじめ記している…
名物記者の絶筆が切り込んだ「先進」医療の闇【中編】 ブレグジット(欧州連合=EU=離脱)を決めた昨年の国民投票にしろ、前言を翻してイースター連休直後に突然メイ首相が発表した総選挙にしろ、英国で政治や社会を語るうえで必ず議論の的となるのは国民保健サービス(NHS)だ。特に庶民にとってはこれ以上の関心事はないかもしれない。 著名なレストラン批評家でコラムニスト、AA・ギル氏の遺稿となったのは、NHSについてのルポだった。息を引き取った翌日、6ページにわたってサンデー・タイムズ・マガジン誌に掲載された。著名フォトグラファー、トム・クレイグ氏による写真の中の氏は、まるで観念したかのように目を閉じている。
誤った発信、許されない がんの治療に関する情報があふれている。中には、最新の医学とはかけ離れた治療法を勧めるものも多い。私は乳がんを患い、当事者の視点も含めてくらしナビ面で昨夏から「がんステージ4を生きる」、「がん社会はどこへ」の連載取材に携わってきた。現代医学の恩恵を受けている者として、日本人の2人に1人ががんにかかるとされる今、患者が安心して治療を受けられる社会を実現させたい。そのためにも、誤った情報発信は断じて許されない。 放置のすすめ、上がる反論の声 近年、注目を集めるのが元慶応大医学部講師・近藤誠氏の著書だ。近藤氏は「がんは放置すべし」などと、現在のがん医療の根幹を否定する。2012年、文化的業績に対して贈られる「菊池寛賞」を受賞、同年出版の「医者に殺されない47の心得」は100万部を突破した。 しかし現場の医師からは「本を読んでがんを放置した結果、病を悪化させる患者がいる」「救
09年に34歳の若さで世を去ったSF作家、伊藤計劃(けいかく)さんの未完の絶筆を、盟友である作家の円城塔さんが書き継ぎ、完成させた。長編「屍者の帝国」(河出書房新社、1890円)は、伊藤さんが残した400字詰め原稿用紙30枚の原稿をプロローグにして始まる。故人との共著になった本書に込めた思い、執筆の経緯などについて、円城さんに聞いた。【聞き手・棚部秀行、構成・佐々木宏之】 −−そもそもの出会いから伺えますか。 円城 最初に会ったのはけっこう遅いはずです。06年、小松左京賞に落ちても(ともに最終選考で落選)まだ会っていません。 編集(河出書房新社・伊藤靖氏) ミクシィで円城さんが「僕は早川(書房)に原稿を送ったから、あなたもどうですか」と呼びかけたのは、その落選後ですね。 円城 実際に会うのは07年5月。東京のSFセミナーで。塩澤(快浩)さん(早川書房、当時SFマガジン編集長)と3人で、1
◇おたふく風邪、副作用訴訟で任意接種に 周期的流行、今も 「どうして、いつの間にこんなに差ができてしまったのか」。95~08年に米国の複数の医療機関で医師として働いた斎藤昭彦・新潟大教授が、帰国してまず感じたのは、先進国に比べ「日本のワクチン接種があまりにも遅れている」ことだった。 米国では現在、B型肝炎、おたふく風邪、水痘(水ぼうそう)など13の疾患について国の責任でワクチン接種を実施し、基本的に無料だ。「米国では病院でかかる医療費が高いという事情もあり、ワクチンで防げる病気は予防接種で減らそうという意識が高い」と斎藤さん。90年代から次々にワクチン接種が増え、所定の接種を受けないと入学を拒否される場合もある。 一方、日本のワクチン接種は、国が勧奨し公費で負担する「定期接種」と、希望者が自己負担で受ける「任意接種」に大別され、「定期接種」はジフテリア、麻疹(はしか)、日本脳炎など8疾患に
東京・渋谷駅構内に飾られている芸術家の故岡本太郎さんの巨大壁画「明日の神話」に福島第1原発事故を模した絵が付け加えられた問題で、警視庁渋谷署は週明けにも東京の若手美術家グループ「Chim←Pom(チンポム)」のリーダーら28~33歳の男性メンバー3人を軽犯罪法違反(はり札)容疑で書類送検する方針を固めた。 送検容疑は4月30日夜、爆発した四つの原子炉建屋を描いた絵の板(縦約80センチ、横約2メートル)を、岡本さんの壁画(縦5.5メートル、横30メートル)の右下につなげる形ではり付けたとしている。 リーダーらは5月18日に記者会見し自分たちが掲示したことを認め、絵をはり付ける様子を映した映像と原画を公開。渋谷署はメンバーらから動機などを任意で聴取していた。 グループは08年、広島市上空に小型ジェット機で「ピカッ」という文字を飛行機雲を使って浮かび上がらせ、被爆者らから批判を受けたことがある。
欧米では標準的に使われているポリオ(急性灰白髄炎)の「不活化ワクチン」が国内では未承認になっている問題で、厚生労働省は26日の予防接種部会で、早ければ12年度中に導入する見通しを示した。研究開発を進める複数の国内メーカーが年末から順次、製造販売に向けた承認申請をする予定で、同省は「できる限り迅速に審査する」と説明した。 開発中の新しいワクチンはジフテリア、百日ぜき、破傷風と不活化ポリオの4種混合ワクチン。ポリオは発症すると手足のまひなどの症状が出る。 ポリオワクチンには、ウイルスを殺した不活化ワクチンと、生きたウイルスを弱毒化させた生ワクチンの2種類があり、現在、国内で使用している生ワクチンは、ごくまれに体内で増えたウイルスが脳や脊髄(せきずい)に達し、まひを起こすことがある。このため、患者団体などが不活化ワクチンの早期導入を求めている。【佐々木洋】
◇不活化ワクチンの緊急輸入を 春の予防接種の季節を迎えた。気がかりなのがポリオ(急性灰白髄炎(かいはくずいえん))のワクチン接種だ。ポリオを防ごうとしてワクチン接種したのに、そのワクチンでポリオが発症するという異常なことが日本で長く発生している。もはや国の放置は許されない事態だ。 ポリオは、ポリオウイルスに感染して発症する。大抵は感染しても発症しないが、まれにウイルスが脊髄(せきずい)神経に侵入し、上下肢などがまひする。いわゆる小児まひだ。 ポリオは1960年まで大流行していた。発症患者は年間約1000~6000人もいた。事態を重視した政府はカナダや当時のソ連から生ワクチンを輸入し、発症率を劇的に低下させた。以後、国による生ワクチンの予防接種が行われている。 ワクチンには2種類ある。生きたウイルスを弱毒化させた生ワクチンは経口で飲みやすいのが長所。ウイルスを殺した不活化ワクチンは注射する。
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