こんにちは、きんどるどうでしょうです。きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してくださいというゲスト書評企画。マンガ家・木村いこが不安障害から回復を目指すコミックエッセイ『夜さんぽ』のレビューをいただきました。 木村いこさんは『たまごかけごはん』『いこまん』の2冊を本作『夜さんぽ』とおなじ徳間書店RYUCOMICから発売してますね。なぜか今20%ポイント還元が付与されています……。発売記念かな? わたしは作者さんと表紙、タイトルでホンワカしたものを想像していたのですが、内容紹介を読むと『え、不安障害……?』と驚きました。 今回のレビュアーは医師の方で『厚生労働省 みんなのメンタルヘルス』を基本に書かれております。日本人の10人に1人がなるかもしれない不安障害、いま苦しんでいる方も、いつかかかるかもしれないわたしも……本作が解決策というわけではないですが、届くべきひとに届いてほしいですね。
マグロはとっくに覚悟を決めていた。市場であの男に買われた瞬間から、自分はもう自由を手にすることは出来ないとわかっていたのだ。気ままに海を泳いでいた日々は遠い過去になった。あとはあの男からされるがままに、自分の体は蹂躙される他ないのだ、と。 しかし、待てど暮らせど男は自分に手をつけることはなかった。身をさばいた直後から冷蔵庫に寝かせたまま、マグロのことを見向きもしなかった。薄暗い冷蔵庫の中に放置されてマグロは思う。 もしかして男は自分にじわりじわりと恐怖を蓄積させるために、自分のことを放っているのではないか。自分に待ち受ける絶望的な未来を想像させることにより、煮るなり焼くなり酢でしめるなり好きにしろと決めたこの覚悟を揺らがせて、精神を完全に掌握する腹積もりなのではないか。そんな不安に満ちた予想がマグロのカマをよぎる。そうなると、自分を買った男は相当にサディスティックな輩であり、その思惑は狙い
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く