「日本でも自宅でビールを造れるようにしたい」。そんな未来を夢見て活動する社長がいる。クラフトビールメーカー「伊勢角屋麦酒」(三重県伊勢市)社長の鈴木成宗(なりひろ)さん(52)だ。 「米国では家庭でビール造りを楽しむホームブルワー(醸造家)が約110万人いて、趣味を楽しむ感覚でビールを造っています。それが日本では違法行為。世界的にも特殊な国なんです」と口調は熱を帯びる。 2019年10月には家庭でのビール醸造の解禁を目指す団体「日本ホームブルワーズ協会」を設立した。いったいどういうことなのか。 日本はなぜ解禁しない? 「もし、プロ野球選手になるまで、バットを握ってはいけないと法律で定められていたらどうかと想像してみてください。もしくはシェフになるまで包丁を持ってはいけない、と。家庭でのビール製造を取り巻く日本の状況は、そういうことです」 鈴木さんはビール醸造を巡る日本の規制の現状を、こう例
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