■「大いなる、鉄のような、絶対的な…」力説 【北京=矢板明夫】5日に開幕する中国の全国人民代表大会(全人代=国会)を控え、共産党の主要幹部が相次いで習近平総書記(国家主席)に対し忠誠を誓う発言をしていることが注目を集めている。最近、習氏と距離を置くとされる政治家が相次いで失脚。党内で“粛清される恐怖”が蔓延(まんえん)していることが背景にあるようだ。「忠誠を誓うことは一種の“踏み絵”」と指摘する声もある。 最も注目されたのは、天津市の李鴻忠・党委書記の発言である。李氏は2月19日に開かれた市幹部会議で約2時間にわたり、習氏の政治理念と実績をたたえる演説を行った。習氏に対し「大いなる忠誠」「鉄のような忠誠」「絶対的な忠誠」が必要だと力説した。この演説で毛沢東への個人崇拝全盛期だった文化大革命(1966~76年)当時の表現を習氏に対し使っており、インターネット上などでも話題となった。 そ