2014-01-16 出席番号4番 木下裕貴 出席番号3番 木嶋陽介 - ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ 名前を呼ばれて期待と不安に満ちたクラスメイトたちの間をぬって十二町先生の前へ着くと、トンネルを抜けたような感じがした。 老眼の入った先生が目から遠ざけて見ていたテストをのぞきこむと、50点満点中の46点、自己採点と同じだ。 「よく勉強しています」 少しでも長くその場にいたくて先生の目の前で自分の間違いをチェックしていると、先生は、助動詞の文法で単純なミスがありましたと笑い、照れた僕の心を見透かすように、今日やりますか、と言った。 「神代さんにも言っておきましたから」 「はい、大丈夫です。お願いします」 「彼女は、47点でしたよ」そこで先生は大きく息を吸い、前を向いて、「近藤さん」と次の名前を呼んだ。 1点負けた。負けたことはくやしくもない。むしろ、何とも言えない喜びがこみ上