文筆家の五所純子が渋谷アップリンク・ファクトリーで毎月最終火曜日に行なっているイベント『ド評』。その第四回目のテーマには蒸し暑い夏の夜らしく『怪談』が選ばれた。大勢の目撃者がいたにも関わらず、未然に防ぐことの出来なかった殺人事件について言及するルポタージュ『38人の沈黙する目撃者 キティ・ジェノヴィーズ事件の真相』の紹介を皮切りに、今改めて怪談として捉えなおすことが可能な書籍を次々に紹介した。このイベントは90分にわたり、モノローグ形式でディスク・ジョッキーならぬブック・ジョッキーのように書評を行なっていくというもの。彼女の思考の移り変わりが空間に綴られ、観客の思考と繋がっていく様がとてもスリリングなこの即興で行われるライブ・パフォーマンスの一端を、言及された書籍とともにレポートする。 人の語る嘘、虚と実が交錯し点滅する仕方に個々人のありようが現れる 『38人の沈黙する目撃者 キティ・ジェ