クリスマスは恋人たちの特別な夜-。そんなイメージを世間に定着させたテレビCMがある。一九八八年から放映されたJR東海の「クリスマス・エクスプレス」シリーズは、東海道新幹線を介した遠距離恋愛のドラマを描いた。第一作から四半世紀に当たり、いまだ語り継がれるCMの秘話を当時の担当者が語った。 (栗田晃) 当時駆け出しの女優深津絵里さん演じる女の子が、新幹線のホームで彼の到着を待つ。列車から降りる人波に、姿は見えない。思わず涙した時、プレゼントを手にした彼が柱の陰から登場する。「帰ってくるあなたが、最高のプレゼント」。ナレーションが流れる。 第一作が放映されたのは国鉄分割民営化の翌年。お堅いイメージを変えようと、JR東海が仕掛けたイメージCMの一環だった。担当したのは入社七年目の広報課員、坂田一広さん(55)=現営業本部副本部長。「若い感性を生かせ」と上司に背中を押された。 クリスマスといえば「商