戦後、池田・宮沢の2人の総理大臣を輩出した広島県。自民党の金城湯池の1つで“保守王国”とも評されてきた。 しかし、おととしの参議院選挙をめぐって事態が一変した。保守分裂の激しい選挙の末に、巨額買収事件で当選は無効となり、やり直しとなった再選挙で、自民党は苦杯をなめた。 何が歯車を狂わせたのか、自民党の戦いを追った。 (佐々木良介、五十嵐淳) 参議院広島選挙区の過去の特集記事 “仁義なき戦い”シリーズ は文末のリンクからご覧ください ”政治とカネ”で厳しい声に 4月25日午後10時過ぎ。 報道各社が、立憲民主党などが推した宮口治子に「当確」を報じた。 それを確認した自民党広島県連会長の岸田文雄は、支援者を前に頭を下げた。 「自民党広島県連の力不足で、みなさんにおわびする。政治とカネの問題をめぐって大変厳しい声にあたった」 “案里の呪縛”で大逆風 選挙戦を通じて自民党は、“河井案里の呪縛”に悩