ブックマーク / science.srad.jp (16)

  • 英語を母国語としない人達の苦労が定量化される | スラド サイエンス

    英語が母語でない研究者が直面している不利益を指摘するツイートが話題だ。日を含む8か国で行われた調査によると、非ネイティブ話者は英語ネイティブ話者に比べて、論文読解・執筆・出版、発表準備や国際学会参加において非常に多くの時間と労力を費やしていることが定量化されたという(Tatsuya Amano氏のツイート、研究論文、Togetter)。 この調査では、環境科学(特に生態学、進化生物学、保全生物学など)の研究者908名を対象にして、英語が母語でない研究者が英語の論文を読解・執筆・出版・会議参加にする際、英語ネイティブ話者と比較してどれほどの不利益を被っているかを調査した。調査対象者にはバングラデシュ人、ボリビア人、イギリス人、日人、ネパール人、ナイジェリア人、スペイン人、ウクライナ人が含まれている。 調査結果によれば、英語が母語でない研究者は英語の論文を読解するのに多くの時間を要すること

  • 気体から固体への状態遷移は「凝華」表記に | スラド サイエンス

    2022年年度の化学教科書からは使用する用語に大きな変化があったそうだ。啓林館の教科書用語の変更を説明した資料によれば、固体から気体に変化する状態遷移を従来と同じく「昇華」、気体から固体に変化することを新たに「凝華」と呼ぶことになったという。従来はどちらも昇華と呼称していた。このほかにも化学式のうちイオンを表す化学式を「イオンの化学式」と呼んだり、これまでは3~11族元素を「遷移元素」として扱っていたが、BeとMgがアルカリ土類金属になったことでこれも3~12族元素に変更されるなどしている。経緯の一部に関しては理系のための備忘録の記事が詳しい(啓林館 教科書用語の変更について[PDF]、難関大に行きたい人へさんのツイート)。 nemui4 曰く、

  • IT業界人はなぜインタビューでろくろを回すのか | スラド サイエンス

    IT業界人は何故インタビューでろくろを回すポーズをするのか。誰しもが考えたがどうでもいいので忘れ去られたのは数知れずであろう。大阪公立大学大学院現代システム科学研究科に所属する牧岡 省吾氏によるチームによると、手を拘束すると意味を処理する脳活動と言語化の速度が低下すると報告した(ナゾロジー)。 実験の参加者には、画面に表示された2つの単語が表す物の大きさを比べ、どちら大きいのか口頭で答えてもらう調査を行った。また「手を机の上に置いて拘束しない条件」と「透明アクリル板で手の動きを拘束する条件」での比較で手の動きが脳内の意味処理に影響するか調査した結果、手を拘束すると左脳の頭頂間溝と下頭頂小葉の活動が弱まり、言葉の意味処理が阻害されたと分かったという。研究の詳細は、2022年8月8日付の科学誌『Scientific Reports』に掲載された。 多分ろくろということに意味はなく、手を動かしな

  • 2022年6月29日は1日が観測史上最も短かった | スラド サイエンス

    原子時計が発明された1950年代以来で、最も短い1日が観測されたそうだ。国際機関の国際地球回転・基準系事業(IERS) の発表によると、6月29日の地球の自転時間は、通常の1日24時間より1.59ミリ秒短かかったという。これまでの最短記録である2020年7月19日には、通常より1.47ミリ秒短かかったがこれを上回るとしている。ただ14億年も前のはるか昔は、1日の長さは約18時間だったという研究もあるという。近年は、地球の自転速度は加速傾向となっており、この傾向が続けば、3~4年後にはうるう秒を差し引く必要が生じるかもしれないとのこと(CNN、ナゾロジー)。 あるAnonymous Coward 曰く、 無論地球と月の相互作用により地球の自転角速度は減少してきたのだから、人類が厳密な観測開始をする前、人類が出現する前には、一日が今日より遥かに短かった事は知られている。

  • EU、来年にも食品添加物としての二酸化チタン使用禁止へ | スラド サイエンス

    若干旧聞だがEU加盟各国は 8 日、品添加物としての二酸化チタン (E171) の使用を 2022 年から禁ずるという欧州委員会 (EC) の提案を承認した (Daily News 08 / 10 / 2021、 Q & A、 SlashGear の記事)。 欧州品安全機関 (EFSA) は EC の要請に応じて E171 の再評価を行い、もはや品添加物として使用した場合に安全とはいえないとの結論を 5 月に発表していた。主なポイントとしては、E171 に含まれる二酸化チタンの 50 % はナノスケール粒子 (100 nm 未満) であり、経口摂取した場合の吸収量は少ないものの体内に蓄積されることや、それによる遺伝毒性の懸念が排除できないことが挙げられている。 加盟各国が承認したことで、年末までに規制案への反対意見が提出されなければ条文が 2022 年の早い時期に発効し、6 か月間の

  • ドバイでドローンを使用した人工降雨。化学物質による影響はなし | スラド サイエンス

    アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで行われているドローンを使用した人工降雨が話題となっている。同国内では現在、気温は50℃に達することも多く、年間降水量も平均わずか78ミリメートルと少ない。このためUAEは天候を制御できるようにする人工降雨プロジェクトに1500万ドルの投資をしたという(TRF、FOX 13[動画]、ガラパイア、GIZMODO、Smart FLASH)。 このプロジェクトでは、ドローンを使って雲の中に電気的な刺激を与えることにより、雲の中の水滴が結合、降水するという仕組みであるという。降雨を誘発するプロセスとしては従来のヨウ化銀を使った人工降雨と大きな違いは無いが、ヨウ化銀の代わりにドローンから電気を流し込んで雲を温めるという郁美であるため、化学物質による汚染がない点も優れているという。試験では人工降雨に成功しており、同国の国立気象センターが公開している動画では、大雨が降っ

  • 気候変動の良い点と悪い点をまとめて批判を受けた BBC の子供向けコンテンツ、良い点をすべて削除 | スラド サイエンス

    英 BBC の子供向け教育コンテンツ「Bitesize」の気候変動に関する記事では気候変動の良い点と悪い点がリストアップされていたのだが、批判を受けて良い点がすべて削除されている(The Guardian の記事、 修正前のInternet Archive スナップショット、 現在のバージョン)。 気候変動の利点として挙げられているのは、気温の上昇によりこれまで育たなかった作物が育つようになる、作物の収量が増える、シベリアなどの永久凍土が解け、石油などの資源がより多く得られるようになる、海の氷が解けて新たな航路が利用可能になる、新しい観光地が生まれる、温くなるのでエネルギー消費が減る、といったものだ。 記事は一般中等教育修了証 (GCSE) の地理の試験に向けた学習用に書かれたものだが、試験委員会 Eduqas によれば、情報は GCSE のカリキュラムからとられたものではないという。GC

  • 鼻の中の鉛を除去すると、スギ花粉症が緩和する可能性 | スラド サイエンス

    スギ花粉症の症状の原因は、大気中に含まれる鉛が原因であるとする研究が発表された。福井大学と名古屋大学の共同研究グループが発表したもので、研究チームはスギ花粉が飛散期のアレルギー患者44人から採取した鼻汁の鉛濃度が、アレルギーではない57人と比べて40%以上高いことを発見したという。鼻汁に含まれる鉛の一部はスギ花粉由来である可能性があるとしている(名古屋大学[PDF]、ニュースイッチ、読売新聞)。 さらにアレルギー性鼻炎モデルマウスを用いた動物実験を行い、鉛濃度の増加と鼻症状の増悪の相関関係を突き止めることに成功した。研究によると、花粉症の患者は鉛が鼻腔内に残りやすい体質があるという。一方で健常者の場合、鼻汁が出ると鉛は洗い流されて外に排出されやすいとしている。花粉に付着した鉛が鼻の中に入って症状を悪化させている可能性があるとしている。

  • 水害リスクの高い地域に建築制限を行う「流域治水関連法案」が閣議決定 | スラド サイエンス

    政府は2日に「特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案(流域治水関連法案)」を閣議決定した(国土交通省[PDF]、特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案[PDF]、NHK、ロイター)。 2019年の令和元年東日台風(台風19号)、2020年の令和2年7月豪雨(熊豪雨)など水害を含む災害が増加していることから、浸水リスクの特に高い地域は「浸水被害防止区域」に指定され、新規で住宅や高齢者施設などを建築する場合、都道府県が建築制限を行えるようにする。建築を許可制とする場所に関しては、川幅が狭いもしくは流と支流の合流部など氾濫が起きやすい河川周辺になるという。 対象区域で住宅などを建てる際には、想定される浸水の深さより高い場所に居間や寝室を設ける、水が住宅に流れ込むのを防ぐため擁壁を用意することなどが義務づけられるとしている。

  • 太っていたら十分な運動をしてもやっぱり不健康という研究結果 | スラド サイエンス

    超過体重や肥満でも十分な運動をすれば心血管疾患リスクをある程度低減できるが、運動しない標準体重と比べるとはるかに高リスク、というスペインでの大規模な研究結果が発表された(プレスリリース、 論文、 SlashGearの記事)。 研究は大手職業リスク防止企業の保険加入者527,662人(18歳~64歳、年齢中央値42歳、女性32%)を対象に行われた。被験者はBMIで「標準体重」(BMI 20.0~24.9、全体の42%: 以下同)・「超過体重」(BMI 25.0~29.9、41%)・「肥満」(BMI 30.0以上、18%) に区分。さらに自己申告による余暇の運動量別で「運動しない」(63.5%)・「不十分な運動量」(12.3%)・「十分な運動量」(24.2%)に区分し、これらを組み合わせた9区分で分析している。運動量の評価はWHOの推奨値(中強度の有酸素運動を週150分または高強度の有酸素運動

  • 2021年の節分は124年ぶりに『2月2日』に | スラド サイエンス

    ストーリー by nagazou 2020年12月15日 7時06分 節分ってコンビニでしか感じられなくなってる 部門より 2021年の節分の日付はいつもの2月3日ではなく2月2日だそうだ。節分が2日になるのは、明治30年以来で124年ぶりだという。節分は来、立春・立夏・立秋・立冬の前日を指すが、現在は立春の前日だけ残されているらしい。その立春は天体の運行に基づいており、太陽黄経が315度となる日と決められている(国立天文台、Wikipedia)。 日付が変わる理由としては、大雑把に言えば1太陽年と通常の24時間365日との間に約6時間ほどのずれがあることから生じる現象であるらしい。正確な国立天文台の暦計算室の記事が詳しい。なおこれからは4年に1回は節分が2月2日になるそうだ(毎日新聞)。

  • Pornhub、性教育ビデオシリーズを開始 | スラド サイエンス

    ポルノ動画サイトPornhubは10月29日、同サイト初の性教育ビデオシリーズ「Pornhub Sex Ed」を開始した(プレスリリース、 Mashableの記事、 Pornhub Sex Edチャンネル)。 シリーズは性に関するさまざまな情報やアドバイスを提供するPornhub Sexual Wellness Centerを通じて立ち上げられたという。現在、多くの人は大衆文化を通じてリアルな性的映像に初めて触れることになるが、このような映像はエンターテインメント的な価値を優先して性の現実を歪めているためシリーズを開始したとのこと。 Pornhub Sex Edは性に関する正しい知識の提供を目指し、実際の人体を使用した正確な映像で性に関する誤った常識を打ち消し、性体験に関するよくある疑問に答えていく。すべてのビデオは資格を持った性セラピストや大学教授がナレーションを担当し、最初の11のビ

  • 眼に注射すると近赤外線が見えるようになるナノ分子 | スラド サイエンス

    光受容体に結合し、光の波長をアップコンバートするナノ分子(pbUCNP)を哺乳類の眼に注射することで、近赤外線が光として見えるようになるという研究成果が発表された(論文、 The Registerの記事、 SlashGearの記事)。 哺乳類の光受容体は波長が700nmを超える近赤外線を検出できない。中国科学技術大学とマサチューセッツ大学メディカルスクールの研究グループはピーク波長980nmの近赤外線を照射することでピーク波長535nmの光を発するナノ分子(UCNP)を合成し、マウスの網膜下腔へ注射した。光受容体にUCNPが結合したマウスに波長980nmの近赤外線を照射すると瞳孔の収縮がみられ、近赤外線で照されている場所を明るい場所と同様に避けるようになったという。 また、可視光線による特定の形状と関連付けられた隠しプラットフォームを見つけるよう訓練したマウスに注射したところ、近赤外線によ

  • 低カロリーの食事を続けると加齢が抑えられる? | スラド サイエンス

    カロリーの低い事を続けていると細胞の代謝機能が低く抑えられることについて、非常に強いエビデンスが得られた。これは年をとっても健康で長生きになることを意味するかもしれない(Nature)。 研究では200人以上の健康で太っていない大人を対象に2年間、事制限を行った。そのうち34人の制限グループ(カロリー15%オフ)と19人の普通に事しているグループでは、2年の調査の終わりに代謝や加齢に関する生物学的マーカーなどを厳密に検査した。毎分の酸素の使用量や二酸化炭素排出量を計測できる密閉されたホテルのような特別な部屋に24時間暮らしてもらい、それに加えて尿から脂質、糖分、タンパク質の状態も計測した。その結果、制限グループでは特に睡眠中のエネルギー効率が非常に良くなっており、加齢によるダメージが抑えられていたという。 #低カロリーで十分な体になっちゃうと、ヘタに喰うと太るんでね?

  • 花粉症の原因となるスギやヒノキが無くなるのは単純計算で350年後 | スラド サイエンス

    花粉症対策として、首都圏のスギ(杉)やヒノキ(檜)を別の花粉の少ない苗木に植え替えることが行われているものの、神奈川・東京・埼玉にある人工林でスギやヒノキが別の樹木に変わるのは約350年後という試算があるそうだ(カナロコ)。 2016年度にスギやヒノキの植え替えが行われた人工林の面積は123ヘクタール。一方、神奈川・東京・埼玉にあるスギやヒノキの人工林の面積は12万ヘクタールで、今後も2016年実績のペースで植え替えが行われた場合、完了するのは単純計算で約350年後になるという。 ちなみに、現在スギ花粉が問題となっているが、これは1950~1970年代に大量にスギが植えられたことが発端となっているそうだ(東洋経済、ビジネスジャーナル)。 なお、花粉が出ない、もしくは出したとしてもその量が少ない杉の植栽も進められている(神奈川県)。ただ、新たに苗木を植えるには先に今生えている木を伐採する必要

  • インフルエンザウイルスは通常の呼気にも咳やくしゃみと同じくらい含まれる | スラド サイエンス

    インフルエンザウイルスは、咳やくしゃみをしなくても感染者の呼気から拡散する可能性が指摘されている(Gigazineの記事)。 咳やくしゃみに含まれるウイルス量と、通常の呼気に含まれるウイルス量には大きな差がないという。感染性エアロゾルとして拡散しているとなると、従来ほとんど強調されてこなかった空気感染ということになるのではないか。通常のマスクは飛沫感染防止には効果があるものと受け取ってきたが、やはりN95マスクでないと対処できないということか。 延べ218サンプル中、195サンプルは30分間の呼気採取で1回以上の咳が観察されたが、くしゃみが観察されたのは11サンプルの採取時のみで、すべて採取中には咳も観察されていたという。くしゃみと咳の組み合わせは咳だけのサンプルと比較して微細なエアロゾル(粒子サイズ5マイクロメートル以下)中のウイルス量に違いはなく、咳をしなかった場合も大きな違いはなかっ

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